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抗日戦争期の旧国民党兵士に社会保障は当然

 香港特別行政区の人民代表大会代表である王敏剛氏は、今年の両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)中、抗日戦争(日本の呼称・日中戦争)期の旧国民党兵士に対する福利厚生政策の適用に関する提案書を民生部に提出した。それから半年後、民政部は中央政府からの公式文書という形で、同提案に正式に回答。抗日戦争期の旧国民党兵士を各種社会保障の適用対象範囲に組み入れ、抗日戦争勝利記念などの重要イベントや元旦・春節(旧正月)など重大祝祭日の特別イベントに旧国民党兵士を招待するよう、各地の党委員会・政府に提案した。3日付の雲南網報道を引用して中国青年報が報じた。

 旧国民党兵士に対するこうした政策実施は、やや遅すぎたという感はあるが、2004年に施行された「軍人救済優遇条例」では、大陸部に住む抗日戦争期の旧国民党兵士は、優遇政策の適用対象範囲から外されていた。このため、極めて異例と言える民生部の回答は、称賛に値するものだ。
 
 陝西省人民政府公式サイトが少し前、文書2件を発表した。ひとつは、国民党騎兵四師十二団の孫蔭芝・上校団長を烈士として追認することに関する意見付回答書、もうひとつは、旧国民党兵士の徐治幇、◆(赤へんにこざと)興泗、任丙楊、呉宗樹、汪家強各氏の烈士認定についての意見付回答書だった。これは、多くの市民から大変好評で、旧国民党兵士に対する評価をめぐる大きな進展と言える出来事となった。ただ、一地方政府が行ったことであり、このような風潮が他の地方にも広く拡大していくかどうかについては、何とも言い難かった。しかし今回は、民政部が率先して、旧国民党兵士を社会保障システムに組み入れ、彼らに栄誉と慰問を与えるよう各地方政府に求めており、全体局面を大きく転換させる大きな作用が及ぶと見られる。各地の政府は、彼らに対する社会保障を今後徹底的に実現する責任を持つこととなった。

 社会がより開放的に、より寛容に変化するに伴い、さらには統一戦線工作が進歩するにつれ、上は中央政府から下は一般庶民にいたるまでが、抗日戦争期における国民党兵士の功績について、より客観的かつ公正に評価することが可能となった。抗日戦争勝利60年を記念する大会において、当時の胡錦濤総書記が演説を行い、「中国国民党と中国共産党が率いる抗日軍は、戦場の最前線と後方、それぞれでの任務を担い、旧日本軍による侵略行為に対して共同で反撃した。最前線の中心的役割を担った国民党軍は、大連隊を組織し、特に、抗日戦争初期の淞滬、忻口、徐州、武漢の各会戦において、日本に大きな打撃を与えた」と述べ、公式の場所で初めて、抗日戦争中の国民軍を高く評価した。この意味は極めて大きい。

 中央政府はすでに、抗日戦争における国民党軍の地位と功績を肯定的に評価している。これに続き必要なことは、各地の民生部門が、生存している旧兵士に対してどのような待遇を与えるかである。大陸部に何人の旧国民党兵がいるのかは今のところ把握できておらず、分かっているのは、彼らのほとんどが、あまり幸福ではない晩年を送っていることだけだ。抗日戦争期の旧国民党兵について取材した記者の記録によると、彼らの中には、生涯独身の人、身体障害者となった人、貧しさから腰が曲がった人、ずっと酷い差別を受け続けている人が沢山いる。彼らと、第二次世界大戦勝利大会で勲章を授けられた欧米諸国の兵士を比べると、両者の境遇には雲泥の差がある。

 現代の中国人は、抗日戦争で奮闘した旧兵士たちに多くの借りがある。今、その借りを彼らに返す時が来た。政府が先頭に立ち、今なお健在の数少ない旧国民党兵士に人道的配慮と社会保障を提供することは、当然なすべきことである。これを基盤として、民政部は、国務院「軍人救済優遇条例」の改正に着手し、「大陸部に住む抗日戦争期の旧国民党兵士は、優遇政策の適用対象とはならない」という条文を「優遇政策の適用対象とする」に改め、彼らが平等かつ整備された社会保障を享受できるよう、法律面から保証すべきである。(文:王学進 編集KM)

 「人民網日本語版」2013年7月4日

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