台湾 今年1-5月の実質賃金、16年前よりも低い水準に
台湾主計総処の統計によると、台湾の1カ月あたりの平均労働時間は172時間を超え、物価上昇分を差し引いた今年1-5月の実質賃金はわずか4万8725元と、1997年の水準(4万9009元)をも下回った。台湾紙「中国時報」が伝えた。
統計によると、台湾の1-5月の物価上昇指数は1.44%、物価上昇分を差し引いた1-5月の実質基本給は平均3万6774元、実質賃金(残業手当やボーナスを含む)は平均4万8725元で、両者はいずれもここ4年来の最低となった。実質賃金だけを見ると、16年前の水準すら下回っている。
▽下半期は人材募集がペースダウンか
主計総処・国勢調査処副処長の陳憫氏は、「実質賃金が16年前以下の水準となった主な原因は、メーカーが年初に年末賞与、業績賞与を減額したため。基本給以外の給与(残業手当てやボーナス)を見ると、1?5月はわずか1万2214元で、昨年同期と比べ、マイナス4.88%の大幅減となった」と分析する。
奇妙なのは、失業率が上昇し、賃金が低下しているにもかかわらず、7割以上の企業が人材不足に悩んでいる点だ。
104資訊科技集団マーケティング部の陳力孑氏は、「上半期に人材募集を行った企業のうち、今に至るまで73%の企業が人材を獲得できていない。ある調査によると、企業の25%は下半期に景気が停滞すると見ている。こうした背景をふまえ、上半期は『業務拡大に伴う人材募集』だったのが、下半期は『欠員補充のための人材募集』になると見られ、就職機会の増加はペースダウンすると思われる」と語る。
▽3K職は賃金が高くても人材不足
台湾の求人サイト「1111人力銀行」の広報担当・李大華氏は「企業が人材不足に悩んでいるが、これは企業側が欲しい人材と、サラリーマンが求める職位に違いがあるため。サラリーマンの多くは、条件が簡単で比較的楽な仕事を好むため、『きつい』『汚い』『危険』の3K職は、賃金を高く設定しても人材不足に悩まされている」と指摘する。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年7月23日