都市に蔓延する「トレンド病」 成功者の証?
現代人は、体の病気がなくても、さまざまな心や情緒の問題に悩まされている。先延ばし病、携帯依存症、夜更かし病、星座コンプレックス、選択恐怖症など、少しおしゃれにも聞こえる「トレンド病」、あなたもかかってはいないだろうか。長沙晩報が伝えた。
先延ばし病や携帯依存症、夜更かし病、星座コンプレックス、これら現代人の症状が「トレンド病」という軽いネーミングで呼ばれているのは、身体の健康に深刻な影響を与えることもなく、命にかかわることもないという安心感があるからだ。また、これらの症状にかかるのが、都市のホワイトカラーやエグゼクティブなどの成功者だというイメージがあることから、こうした症状は成功者の証という錯覚が若者に生まれているためでもある。
だが実際は、こうした「トレンド病」は、健康に直接影響を与えたり、命にかかわったりはしないが、人々の正常な仕事や生活にある程度の影響を与えるものだ。例えば若者に蔓延している「夜更かし病」は、その人の体に実質的なダメージを与えるとともに、睡眠不足ややる気の低下によって次の日の仕事に影響する。通常の疾病が人々の体を侵食するものだとすれば、「トレンド病」が侵食するのは人々の正常で良好な状態にある生活と仕事だと言える。
専門家によると、こうした「トレンド病」の形成と流行は、プレッシャーが高くテンポの速い現代の社会環境と密接に関係している。例えば、「携帯依存症」が表しているのは、外の世界の歩みに追いつこうと焦り、置いて行かれることを恐れる心理状態だ。だがもしその中に溺れてしまえば、さまざまな弊害や問題が出てくる。こうした「トレンド病」の最も効果的な治療法は、追いつこうとする歩みを意識的に緩め、生活リズムを意識的に調整することだ。このことは私たちに物質的で金銭的な何かを失わせることを意味するかもしれない。だが歩みを緩めた時、それまで注意したことのなかった道端の風景が見えるようになり、いつの間にか失っていた生活のすばらしさを発見することになる。「トレンド病」にかからないようにしてこそ、本当の生活を味わえるようになるのだ。(編集MA)
「人民網日本語版」2013年11月21日