人民元レート 年内に1ドル=6元を割り込む可能性は?
今年に入ってから人民元レートが急激に上昇しており、記録更新を続けている。中国外貨取引センターの最新データによると、人民元の対米ドルレート中間値は11月14日に1ドル=6.1315元となり、前営業日より27ベーシスポイント上昇し、為替レート改革以来の新記録となった。専門家は、「米連邦準備制度理事会が量的緩和策を続け、中国経済が好転を続けていることから、大量の国際資金が中国に流入している。金融市場において流入する資金が流出分を上回っており、外貨の過度な供給が人民元レートの上昇を促している。人民元レートは年内に上昇を続けるが、その幅は抑制可能な範囲内となり、1ドル=6元を切ることはないだろう。来年の動向については、米国の量的緩和策(QE)の終了時期、中国の金融政策の調整を見守る必要がある」と分析した。人民日報海外版が伝えた。
◆レート上昇が記録更新
人民元レート上昇のムードが強まっている。銀行間為替市場における人民元の対米ドルレート中間値は11月13日に1ドル=6.1342元となり、前営業日より18ベーシスポイント上昇し、2日連続のレート上昇となった。統計データによると、人民元の対米ドルレート中間値は、年初から現在まですでに2.4%上昇している。
今年1−5月、人民元の対米ドルレート中間値は1.0954%上昇していた。
◆市場の圧力
レート上昇の原因は何だろうか、頭打ちはいつだろうか?曁南大学国際商学院副院長の孫華◆氏は、「為替相場は実体経済に影響するため、この頭打ちとは実体経済の面から叫ばれている。近頃中国の海外貿易が低迷し、企業の輸出は人民元レート上昇により利益率が低下した。また輸出企業の多くは中小企業で、重い負担となった。ゆえに企業の利益を守るため、人民元レート上昇を緩慢にし、さらにはこの流れを止める必要がある。早急に頭打ちに達し、企業を休ませなければならない」と語った。