円・ドルの大量発行 中国に二つのリスクをもたらす (2)
二つ目はインフレのリスクだ。本国通貨の下落により、本国商品の輸出競争力を強化し、輸出により国内の景気低迷から脱却する。これは日本などの国家による都合の良い計算だ。G20は共同声明の中で、「本国商品の国際市場における競争率を高めるために、本国通貨の相場を引き下げることはしない」としたが、国際競争において馬鹿は一人も存在しない。そのためドル安・円安・ユーロ安がひとたび生じれば、各国の通貨も競うようにして下落し、紙幣発行の戦争に陥るだろう。インド準備銀行(中央銀行)は9カ月ぶりに政策金利引き下げを発表しており、その他の発展途上国も複雑な状態に陥っている。
しかし発展途上国の通貨は国際化が進んでおらず、主に国内で流通されており、大量に発行した通貨を消化することができない。これにより必然的に、資産バブルの膨張とインフレが促される。先進国が大量発行した通貨は、さまざまな形式により堂々と発展途上国に流入するが、中国の印刷した通貨は中国人が自ら消化するしかない。人民元の対米ドルレートが上昇を続けているが、一方で国内の購買力が低下を続けている。
日米の大規模な紙幣発行は、災いを他国に押し付けるようなものである。「意図的な為替操作に断固反対」という声明は、机上の空論に過ぎず実行性を伴わない。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年2月28日