円・ドルの大量発行 中国に二つのリスクをもたらす
世界的な金融戦争のリスクについて、このほど閉幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、「意図的な為替操作、さまざまな形式による保護主義に断固反対する」とする共同声明を発表した。人民網が伝えた。
日本の大規模な金融緩和策、円安の加速は既成事実となっている。米国の量的緩和策もまた、オバマ大統領の2期目に入ってからさらに拡大された。上述した「誓約」の他に、G20会議は日米の紙幣大量発行を非難していない。
日米の量的緩和策の継続は、中国経済に二つのリスクをもたらす。
一つ目は資産価値の低下だ。フランスのサルコジ前大統領の経済カウンセラー、ジャック・アタリ氏は著作「国家債務危機」の中で、「月収が1000ユーロに満たない中国人は、節約して貯めた血と汗のたまもので、収入が10倍の米国人を養っている」と指摘した。米財務省の直近のデータによると、中国の米国債保有残高は1兆2000億ドルを上回り、米国最大の債権国としての地位を維持した。
国内経済の低迷持続を受け、米・日・欧は量的緩和策による景気刺激を続けており、印刷機をフル稼働し紙幣を発行している。米国は大量発行した国債を、中国などの発展途上国に売りつけ、米国経済の回復を促している。債権者が米国に貸した血と汗のたまもの(債務)は、ドル安の進行に伴い価値が低下を続けている。