中日韓FTA交渉開始 日本のTPP交渉参加が足を引っ張る (2)
劉氏はさらに「日韓にしてみれば、対中貿易の深化は経済の持続的成長の助けとなる。現在も中国は人件費、用地コスト、資源の面で強みを持ち、消費能力も高まり続けている。これらはいずれも日韓に投資と市場の空間を与える」と説明した。
■焦点:日本のTPP参加が中日韓FTA交渉の足を引っ張る
業界は中日韓自由貿易圏について米国がアジア太平洋地域で推し進めているTPPに対抗して国益を守るものと考えている。だが日本側の態度が曖昧で、「複数賭け」さえしていることが、自由貿易圏の構築にとって最大のリスクとなっている。
日本の安倍晋三首相は15日、TPP交渉への参加を正式に発表した。
「日本のTPP交渉参加は、中日韓自由貿易圏の構築にとって短期的に足を引っ張る要因となる」と劉氏は分析。「TPPは米国主導の貿易グループであり、経済的範疇を遥かに超えて政治的要素に関わり、アジア経済に占める中国の地位に影響を与え、人民元の地域通貨化への牽制にもなる」と説明した。
だが、もし日韓がTPPと中日韓自由貿易圏に同時に加盟すれば、中国に優位に働くとの楽観的分析もある。中国は日韓との協力の形を通じて、産地優勢を享受し、TPPの多国間貿易優遇条件を獲得できるというものだ。
頭が痛いのは、日本が米側のTPPの制約から、中日韓FTA交渉のプロセスに影響を与えることだ。
もしFTA交渉が棚上げになれば、3カ国の利益が損なわれるだけでなく、より長期的には北米自由貿易圏のたゆまぬ拡大とEUの財政・金融政策統合プロセスの推進に伴い、アジアは欧米と対抗する貿易枠組みを欠くことになり、世界経済におけるアジアの発言力に影響が生じる。
「21世紀の経済成長はアジアにある。だが結束と発言力を欠けば、たとえ比較的速い成長を実現しても、その利益を得るのはアジア諸国ではなくなる」と劉氏は指摘。「3カ国の切実な利益とアジア経済の地位に関わる状況の時にふらふらしている日本は、平和的発展という先見の明を持ち、視野をもっと広げ、度胸をもっとつけ、アジア最大の、最も成長性を備える経済国と一致協力すべきだ」と述べた。