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アベノミクス 日本経済にもたらした効果と副作用 (3)

 まず、日銀が発表した2年内に物価を2%上昇するという目標に対して、多くの日本人エコノミストが懐疑的な態度を示している。「ミスター円」と呼ばれている元大蔵官僚の榊原英資氏はこのほど、この目標は基本的に「夢」に過ぎず、超量的緩和策をさらに長く続けなければならないと指摘した。早稲田大学のエコノミストの野口悠紀雄氏は、超量的緩和策は海外から大量の投機的な資金を流入させるが、投資を引きつけられないと指摘した。

 安倍政権の大規模な財政刺激プランに対して、市場は日本の財政状況のさらなる悪化を招くと懸念している。日本政府の推算によると、年末までの政府債の対GDP比は、約250%に達する見通しだ。財政刺激策、日本政府が検討中の企業投資減税により、公共財政の赤字が拡大する恐れがある。

 安倍政権の発表した経済成長戦略の、数多くの漠然とした目標についても、その実行性が疑問視されている。過去10数年間に渡り、日本の歴代政権は経済成長戦略を幾度も推進してきたが、多くの対策は新鮮味がなく、大きな成果があがらなかった。安倍政権が今回発表した成長戦略は、多くの敏感な分野で、根本的な問題点を掘り下げられなかった。

 消費税増税もまた、アベノミクスに難題を突きつけている。日本政府は10月に、来年4月に消費増税第1弾(現行の5%から8%に増税)をスタートさせるかを確定する。安倍首相の経済ブレーンの浜田宏一氏は、アベノミクスのつまずきを回避するため、消費増税の時期を遅らせてはどうかと提案した。しかし一時的な増税見送りは、市場の日本国債および財政再建に対する期待に深刻な影響を及ぼし、同じく高いリスクが存在する。

 海外経済の動向は、アベノミクスが直面するもう一つのリスクだ。最近の市場動向を見ると、米国・中国の市場および米連邦準備制度理事会の政策にわずかな変化が生じただけで、日本の金融市場に大幅な変動が生じることが分かる。

 みずほ総合研究所のチーフエコノミストの高田創氏は、アベノミクスは米国経済回復の勢いを借りたものであり、米国経済・金融政策に変化が生じた場合、日本はその衝撃を回避できないと指摘した。高田氏はまた、7月の参議院選挙の後、安倍政権が改憲などの政治的課題ではなく経済的課題に専念し続けるか、アジアの隣国との関係を適切に管理できるかも、市場の注目する政策リスクだと強調した。(編集YF)

 「人民網日本語版」2013年7月5日

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