中日韓FTA 交渉がスタート (2)
商務部の崇泉・国際貿易交渉副代表は以前メディアに対し、早急に3カ国の自由貿易圏交渉をスタートさせれば、3カ国にとって、東アジア地域にとって、さらには世界経済にとって実質的な利益をもたらすと述べていた。
▽ASEAN諸国にも利益
ASEANは中日韓FTAの交渉スタートを歓迎する。カンボジアのカンボジア平和協力研究所のチェーン・ヴァナリット事務局長は取材に応える中で、ASEANと中日韓3カ国との経済貿易関係はますます密接なものになっており、3カ国が自由貿易圏交渉のスピードアップができれば、ASEAN共同体の建設に積極的な作用をもたらすことになると述べた。
インドネシア・ジャカルタに本部を置く東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)所属の経済学者・磯野生茂氏が提供したデータによると、2010年の中日韓3カ国の国内総生産(GDP)の合計が世界のGDP全体に占める割合は20%に上り、1990年の18.1%よりやや上昇した。ただ3カ国それぞれの占める割合は変化している。90年は中国のGDPが世界に占める割合は2.2%、日本は14.6%、韓国は1.28%だったが、10年には中国が9.7%に増加し、日本は8.7%に減少し、韓国は1.6%となった。
磯野氏によると、90年から10年にかけて、3カ国の貿易量は目立って増加した。韓国と中国、また日本と中国の二国間貿易の量も急速に増加した。ここから3カ国間の供給チェーンの存在がうかがえる。中日韓FTA交渉は3カ国の経済に積極的な影響を与えることになるという。