中日韓FTA 交渉がスタート
商務部(商務省)の陳徳銘部長、日本の枝野幸男経済産業大臣、韓国の朴泰鎬外交通商省通商交渉本部長は20日、カンボジア・プノンペンにおける東南アジア諸国連合(ASEAN)の第21回首脳会議と一連の会議の開催期間中に、中日韓の自由貿易協定(FTA)をめぐる交渉をスタートしたことを明らかにした。来年早期に第1回目の会合を行うことも決まったという。「人民日報」が伝えた。
▽市場統一の効果に期待
韓国紙「中央日報」の指摘によると、交渉がスタートしたことにより、欧州連合(EU)と北米自由貿易協定に続く、世界で3番目の地域レベルの統一市場が東アジアに形成される見通しとなった。韓国の通信社・聯合ニュースによると、自由貿易交渉がスタートしたことの意義は大きく、今回のASEANの一連の会議で獲得した着実な成果の一つだという。また韓国の李明博大統領は、世界経済がますます困難になる中、貿易保護主義ではなく、自由な貿易の必要性がますます高まっていると述べた。
韓国の政府筋は、自由貿易圏が韓国経済に新たな活力をもたらすと期待を寄せる。朴宰完企画財政部長官がさきに述べたところによると、輸出の増加は経済復興に直接影響を与えるので、韓国は自由貿易圏を十分に利用して輸出ルートを拡大させる必要があるという。また韓国銀行(中央銀行)の金仲秀総裁は、内需によって経済を振興させる新興市場国が、引き続き世界の経済成長を牽引するとの見方を示した。
日本の共同通信社によると、中日韓FTAは日本が中国と韓国への輸出を拡大する上でプラスになるという。また日本紙「日本経済新聞」は、自由貿易圏は貿易の自由化を促進し、東アジア地域の経済成長を牽引すると指摘する。