米玩具大手マテルの中国OEM工場、残業時間が113時間に (2)
一方、東耀玩具の人材募集情報を閲覧してみると、同社はCLWから指摘された残業時間超過、残業代、社会保険などについて、細かく規定している。例えば同社は残業制度について、「毎週6日間、毎日8日間の業務制度」を設けており、社会保険については「政府の規定に基づき、社員を社会保険に加入させる」としていた。
記者は東莞市で長年勤務している李さんと連絡をとった。李さんは東耀玩具で働いていないが、知り合いが働いていたという。李さんは「CLWの指摘した内容はほぼ事実だ。残業時間の超過はよくあり、通常の時給に残業代が上乗せされることもなかった」と語った。
マテルは海外の直属工場・OEM工場に対して、毎年不定期の監査を行うと約束している。しかしCLWは「マテルのICP監査報告書は量が少なく、具体的な内容もない。また同社の直属工場7社の状況を見ると、同社は2008年からOEM工場の労働者に関する情報を公表していない」と指摘した。
■外資系企業 「血と汗を流す工場」に成り下がる
マテルよりも先に、多くのグローバル大手が中国で「血と汗を流す工場」のレッテルを貼られていた。例えば高級ブランドのグッチは従業員からの集団訴訟にあったが、同社は100以上の行動規範により従業員を束縛していた。本国では規則を順守するこれらのグローバル企業は、なぜ中国で「血と汗を流す工場」に成り下がるのだろうか。
この問題について、正略鈞策管理コンサルティングの何卿傑・高級アナリストは、「中国の制度面の不備、企業の利益を求める性質により、グローバル企業は中国で違反を連発している」と分析した。