米玩具大手マテルの中国OEM工場、残業時間が113時間に
美しく愛らしいバービー人形の裏側には、「血と汗を流す工場」が隠されていた。ニューヨークに本部を置く非営利団体のチャイナ・レーバ・ウォッチ(CLW)が発表した調査報告書は、バービー人形のブランド所有者、米玩具大手マテルの中国4工場による残業時間超過など15条の「罪状」を告発した。国際金融報が伝えた。
マテルよりも先に、グッチやGE(ゼネラル・エレクトリック)などの大手外資系企業の中国生産企業が、「血と汗を流す工場」のレッテルを貼られていた。周知の通り、西側諸国は長期にわたる労使紛争により、企業の労働者保護などの面が成熟している。しかしこれらの企業はなぜ中国で、自ら「血と汗を流す工場」に成り下がっているのだろうか。
■1カ月に113時間の残業
同調査報告書が告発したマテルの中国OME工場は、仏山市南海美泰精密?鋳有限公司(以下「南海美泰」)、 郭氏宏高電子塑膠(深セン)有限公司(以下「郭氏宏高」)、東莞東耀玩具有限公司(以下「東耀玩具」)、深セン市偉利豊塑膠製品有限公司の4社。同4社は1万人以上の労働者を雇用しており、マテルの世界社員総数の約3分の1を占める。
CLWは、同4社で最も深刻な問題は、残業時間の超過だと指摘した。南海美泰の某従業員の給与明細によると、8月の残業時間が113時間に達していた。CLWの調査によると、郭氏宏高の正社員の残業代は、平日・休日を問わず時給10元(約130円)のみ、派遣社員は時給7.5元(約96.5円)のみであった。深セン市の最低給与基準によると、最低残業代は平日であれば時給12.8元、土日であれば時給17元以上となるはずだ。
加入が義務付けられている社会保険について、郭氏宏高の社員は加入を希望しなかった場合、訓戒のみで黙認を得ることができる。東耀玩具では、社会保険の加入は社員の自由とされている。