中国製造業 ベトナム移転ブームが沈静化 (2)
中国大陸部と比べ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア等の東南アジア諸国は人件費が安く、水道・電気料金や原材料などのコストも割安だ。コスト面で強みを持つため、ベトナム等の東南アジア諸国に投資を行うのは、労働密集型企業が中心だ。移転後の産業構造もまた、すでにベトナムで形成されている。ベトナム南部は靴・紡績業が中心で、北部は電子産業が中心だ。
労働密集型企業以外の移転も多い。反ダンピング関税のリスク回避が、もう一つの重要な目的だ。中国経済の発展に伴い、一部の貿易会社は欧米の反ダンピング関税に直面することを懸念している。事前にベトナム等の経済発展が遅れた地域に移転し、反ダンピング関税のリスク回避につなげているのだ。
低コストVS低効率
ハイフォンの最低給与基準は人民元換算で600元、外資系企業の社員のうち、一般的な労働者の月給は750−900元、技術者の月給は1000−1500元だ。企業にとって、これは月給が3000−4000元に達する深センより魅力的だ。
何事も完璧というわけにはいかない。安価な人件費により企業はコストを削減できるが、低い生産効率という現実を受け入れる必要がある。