サンテックパワー破産は政府主導の産業モデルへの警鐘 (2)
「新エネルギー拠点」を築いている省は現在全国で17を超える。まだ計画が十分に検証されていない省もある。極めて同質的な発展に一斉に飛びついた結果、わずか数年でいくつかの新興産業は激しい競争に陥り、産業全体が赤字に苦しみ、早くして衰退することとなった。
深いレベルで見ると、中国の「過剰生産能力」には市場的過剰もあれば、体制的過剰もある。経済の周期的変動のもたらす「過剰生産能力」以外に、中国の工業生産能力の急速すぎる拡大は投資体制のモデル転換、地方政府に存在する投資衝動、GDP至上の経済算出システムと密接に関係している。まず、政府が直接主導する産業発展の引き起す企業コストの外部化効果、投資補助金効果、リスクの外部化効果など企業の投資行為を歪める要因があり、これがさらに投資競争を招き、生産能力の拡大を抑制困難にする。次に、多くの産業は技術水準が低く、企業の独自開発能力が弱いことから、企業の競争は独自開発能力の向上や品質改善ではなく、主に資源の投入、生産量の拡大、および価格の競争となって現れる。
より本質的に言えば、根源はGDP指向の経済算出システムと政治的業績の評価システムにある。GDPは生産を算出基準とするため、質ではなく数量ばかり重んじ、経済規模・総量を過大評価し、「成長の幻覚」をもたらしやすい。また重複計算と過剰生産能力もGDP算出に組み込まれる可能性が高いため、GDP至上の評価システムは数値競争を招き、深刻な過剰生産能力をもたらす根源となる。もしGDP至上の発展構想を徹底的に改めず、産業の発展法則を尊重せず、体制改革をさらに推し進める決意がないのなら、「サンテックパワー危機」は今後も繰り返され続けるだろう。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年3月25日