米が中国製通信機器の調達を禁止 WTO規定に違反か
オバマ大統領は26日に新法案に署名し、各政府部門が中国企業と関連する通信・科学技術システムを調達することを禁じ、「安全の遺漏」が生じることを防ぐとした。専門家は28日に本紙のインタビューに応じた際、「この措置は政治的なダブルスタンダードである。安全リスクに関する十分な根拠がない同措置は、国際貿易の不公平を招き、世界通信機器市場の公平な競争を損ねる可能性がある」と指摘した。中国新聞社が伝えた。
今回可決された連邦政府歳出予算法案の条項は、米商務省・司法省・NASA・国立科学財団に対して、中国政府が所有・運営・援助する企業が生産・組立を行う情報技術システムの購入を禁じた。
同条項により、レノボ、華為(ファーウェイ)、中興(ZTE)などの中国電子通信機器大手が打撃を受け、米国市場開拓の長年の努力が水泡に帰す可能性がある。
北京大学経済学院の曹和平教授は、「この条項は自国を対象外とし、中国製品・設備だけにスポットライトをあてる、典型的なダブルスタンダードだ」と非難した。
米下院情報特別委員会が昨年発表した報告書は、中国政府が華為・中興への影響力を行使し、米国の国家安全を損ねる可能性があることを理由に、米国の通信キャリアに対して同2社とビジネス提携を行わないよう促した。同2社はこの指摘を否定しており、華為の報道官は「まったく根拠のない言い分だ」と表明した。
同条項は上述した機関に対して、情報技術システムの購入を検討する際に、法執行機関と共同で「サイバー攻撃と破壊のリスク」について調査するよう求めた。米国の某ネットセキュリティ企業は先ほど報告書を発表し、「ハッカーが系統的かつ幅広く米ビジネス界に侵入しているが、中国政府はこの活動を裏で支援している」とした。中国側はすでにこれを否定している。
曹教授は、「米国政府は他国によるサイバー攻撃を非難しているが、その基準は不透明であり、十分な証拠もない」と指摘した。
中国国際貿易学会中米欧研究センターの何偉文主任もまた、「同条項は世界貿易機関(WTO)の規定に違反している。世界産業チェーンで調達を行う電子通信機器業界にとって、同条項が世界市場に及ぼす影響は長期化する恐れがある」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年3月29日