電子書籍 決め手はやっぱりコンテンツ
今年6月には、アマゾンの電子書籍端末キンドルが中国市場、インド市場に相次いでお目見えした。デジタル化の波を背景に、電子書籍は新しい読書スタイルとして広く受け入れられつつある。キンドルは業界最大手のアグリゲータ(情報を収集・整理して提供する事業者)であり、キンドルが引き起こした読書革命はますます多くの国に広がっている。「人民日報」が伝えた。
キンドルは電子書籍端末の「開祖」ではない。設立は2007年末で、この頃すでにソニーやiRexなどがモノクロ電子ペーパーディスプレイ搭載の電子書籍端末をうち出していた。同ディスプレイを搭載しない電子書籍端末であれば、その歴史は20世紀にさかのぼるが、電子書籍市場を真の意味で活性化させたのはなんといってもアマゾンだ。アマゾンは10年、電子書籍の販売量が紙のハードカバーの販売量を上回ったと発表した。さらにその1年後には、キンドルの電子書籍販売量がアマゾンのすべての紙の書籍の販売量を上回ったという。また米国出版社協会が発表した報告によると、12年には米国の電子書籍売上高が書籍売上高全体に占める割合は22.5%に達し、米国電子書籍市場の年間売上高は4年で61倍増加し、07年の3200万ドルから11年は19億7千万ドルに増えたという。
デジタル読書の世界をより多くの人に理解してもらい、市場シェアを拡大するため、アマゾン、ヌークを擁するバーンズ・アンド・ノーブルなどのメーカーが、書籍購入から読書に至る電子書籍体験の向上に努めている。ディスプレイ技術の改善を続けて紙に近い読書の実感を提供するほか、サービスシステムの面では、アマゾンが無料の3Gサービスを提供し、いつでもどこでも電子書籍が購入できるようになったとともに、どこまで読んだかや書き込みなどの情報が複数の設備で共有できるようになった。