日本がTPP交渉参加 対等な立場求める
環太平洋経済連携協定(TPP)第18回交渉会合が、今月15日からマレーシア東部の都市コタキナバルで行われている。会期は10日間。23日午後には日本が正式に交渉に加わり、12番目の交渉参加国となった。これでTPP交渉参加国の国内総生産(GDP)の合計が世界経済全体に占める割合は40%近くになった。ある専門家によると、日本のTPP交渉参加は経済的な利益よりも政治的な意図によるものであることがはっきりしている。またTPP交渉の深みや複雑さ、交渉の影響を受ける国の多さなどから、年内に妥結する可能性は低いという。「人民日報」が伝えた。
▽ルール制定をよりどころに地域での影響力を拡大
日本政府は今年3月、TPP交渉に参加することを決定した。米国議会での参加承認の手続きがあったため、日本は15日に始まった交渉会合の前半には参加することができなかった。日本はこのたび鶴岡公二主席交渉官を代表とする100人の代表団を派遣し、交渉に参加する11カ国との間で文書引き渡し手続きを終えるほか、交渉ではコメ、麦、砂糖、牛肉、乳製品などの重要5品目の関税を維持することを主張し、知的財産権の保護などの作業部会にも参加するという。
日本国内ではTPPに対して意見が分かれる。TPP支持派の自動車や家電などを代表とする工業団体とTPP反対派の農業団体との意見の食い違いが中心だ。コメを例に取ると、日本が現在かけている輸入関税は778%にも達する。今年2月に安倍晋三首相が米国を訪問した際には、「農産品の重要品目の関税を維持することを前提に」、TPP交渉に参加するとの意思を確認した。規制緩和や構造改革は安倍政権がうち出す経済政策「アベノミクス」の重要な内容だが、日本国内の既得権益構造は非常に堅固で、これをうち破ることは難しい。そこでTPP参加は日本国内の経済改革の需要な推進手段とみなされている。農業団体は安倍首相のお膝元の自由民主党の重要な支援者であり、自民党内部ではTPP反対派の力が非常に強い。
日本のTPP参加の主な目的は、アジア・太平洋地域の経済の「快速列車」に乗ることで苦境から脱出すること、ゲームのルール制定をよりどころとして地域内での影響力を高めることにある。TPP交渉に参加する米国もオーストラリアも、日本にとって重要な貿易パートナーであり、ベトナム、シンガポール、マレーシア、ブルネイなどの東南アジア諸国は日本のこれからの重点投資先だ。日本紙「日本経済新聞」の太田泰彦編集委員によると、米国はTPP交渉を通じてアジア各国の関税や法制度に対する影響力を高め、輸出を拡大したい考えだ。日本もTPPをよりどころにして輸出と投資を拡大することができるという。
交渉会合では25日、日本のために特別に設定された会議「ジャパン・セッション」が行われ、日本は重要5品目を関税ゼロの原則から除外するよう求めるとともに、日本の自動車やその他の製品に対する輸入関税の撤廃を求めるとみられる。