70歳から74歳の医療費2割負担、14年からに延期へ
【長富由希子】特例的に1割に据え置かれている70-74歳の医療費の窓口負担について、自民、公明両党は26日、来年4月からの2割引き上げ実施は見送り、2014年1月から段階的に2割にする検討に入った。来年夏の参院選以降に先送りすることで、与党内の慎重論を抑える狙いだ。
70-74歳の窓口負担をめぐっては、野田政権が消費増税と社会保障の一体改革の中で2割にする検討をしたが、民主党内の反対で見送られた。厚生労働省は先月の社会保障審議会の部会で、来年4月に70歳になる人から2割にする案を示した。しかし来年夏に参院選を控え、与野党ともに慎重な声が多かった。
検討されている案では、13年中に70歳になる人までは1割負担のままとし、14年1月以降に70歳になる人から順次、2割にする。この案をもとに両党内で調整を始めた。
自公両党内では、参院選後の来年10月から2割に移行する案も出ていた。だが過去の物価下落時に据え置かれた年金の段階的な引き下げを同じ時期から実施することになったため、高齢者への負担増を同時期に実施するのは難しいとの判断から、14年1月からの移行案が有力となった。
70-74歳の医療費窓口負担は小泉政権の時に法律上、2割になった。しかし自公政権は実施の段階になって、高齢者からの反発を恐れ、政治判断で1割に据え置き、民主党政権もこれを受け継いだ。1割据え置きのために、毎年度約2千億円の税金が投入されている。
asahi.com 2012年12月27日
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