オランダの火星移住計画、中国からは600人が応募
オランダの非営利組織マーズワンが進める火星移住計画「マーズワン・プロジェクト」はこのほど、上海で移住希望者の募集を発表した。移住希望者の募集は、米ニューヨークで22日に世界で初めて発表されたのに続く2回目。計画では、2023年をめどに、応募者の中から選抜した男性2人女性2人の計4人を火星に送り、史上初の「火星住民」として永住させる。
■第1陣の定住者は野菜しか食べられない
マーズワンの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のバス・ランズドルフ氏によると、同社は2年前からプロジェクトの準備に着手。米航空宇宙局(NASA)、欧州宇宙機関(ESA)のほか、宇宙技術関連企業の専門家やノーベル賞受賞者にコンタクトを取った結果、「人類が現在獲得している宇宙技術で、宇宙飛行士を火星に送り定住させることは十分可能だと確信した」という。
定住施設は第1陣の宇宙飛行士が到着する前に完成させる予定。2016年に初の打ち上げ実験を行い、2018年に火星探査機を打ち上げる。2021年に定住に必要となる水、酸素、食品など物資を運搬する。「火星に物資を送るコストは高いため、最初の定住生活に慣れた後、宇宙飛行士が自給自足し、既存の材料でより大きな定住施設をつくれるようにしたい」とランズドルフ氏。
現時点でのイメージ図では、定住施設は白色のカプセルで、荒涼とした土地に建てられている。人が生活する施設の表面は放射線を遮るために、火星の砂や石で覆われている。施設の周りには、大規模な太陽光発電パネルが設置され、電力をまかなえるようになっている。室内は生活スペース、作業スペース、娯楽スペース、野菜を栽培するための温室に分かれている。
「第1陣の定住者は野菜しか食べることができないが、将来的には昆虫や稚魚などを火星に運び、定住者が自分たちで養殖することも検討している」(同氏)