3Dプリンタ 微粒子飛散に発癌リスク、家庭用は問題なし
3Dプリント技術はますます普及しており、医学・建築・軍事などへの応用のみならず、最近は家庭用の3Dプリンタも登場している。しかし米イリノイ工科大学は、「市場で販売されている3Dプリンタはまずプラスチックを加熱し、これを噴射することで造形する。これは工業生産に類似しており、有毒物質を放出するが、一般人は防護装置を使用できない。微粒子は空気中を浮遊し、肺や脳に吸引されやすい。過度の蓄積により肺病、血液・神経系の疾病にかかり、死亡する可能性もある」と指摘した。中央人民広播電台「中国之声」の「新聞晩高峰」が伝えた。
この結果は、イリノイ工科大学の研究者のブレント・スティーブンス氏が、5機種の売れ筋3Dプリンタに対して行った実験に基づくものだ。研究者は、「密室、もしくは換気設備が不足している室内環境」における、3Dプリンタの使用を控えるよう呼びかけた。
一方で、中国初の3Dプリント写真館の創設者、杭州訊点ビジネスサービス有限公司CEOの茹方軍氏は、この論法の前提と結論を否定する。
茹氏は、「発生する粉末は確かに、皮膚を透過するほど微細なものだ。工業用の3Dプリンタの場合、機器を使用する際、単独の部屋、通風かつ恒温・恒湿の環境を用意し、部屋に入る人は、手術用の手袋やマスクといった防護が必要だ。このように元から防護が必要とされているため、それほど高いリスクは存在しない」と指摘した。
では、家庭用3Dプリンタの使用においても同じ程度の防護が必要なのだろうか。茹氏は、「まず微粒子という問題は、工業クラスの高級設備にしか存在しない。このような設備が占める比率は非常に低い。まずこの前提を明らかにしておく必要がある」と指摘した。
茹氏は、「レーザー焼結の機器のみにこの問題が存在する。この機器は一般家庭が購入できるものではなく、価格は通常500−600万ユーロに達する。家庭用の設備にはこのような問題は存在しない。家庭用の機器は固形のプラスチックを溶かすだけで、粉末が飛散することはない。つまり異なる技術が採用されているというわけだ」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年7月29日