人の一生のうち、約3分の1の時間は睡眠時間と言われている。生活のテンポが加速し、ライフスタイルが変化している今のご時世、様々な睡眠障害が医療・公衆衛生問題のひとつとして顕著化している。北京で発表された「2016年睡眠・職業安全白書」では、中国の成人のうち、「閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)」を患っている人は20.4%に上ると指摘された。中国新聞網が報じた。
同白書は、北京大学と米ペンシルバニア大学が共同でとりまとめ、発表した。これによると、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、昼間に強い眠気をもよおす原因となる呼吸器系疾患の一種で、一般に良く見られる病気という。主な症状は、夜間の睡眠中のいびき、呼吸停止、低呼吸で、酸素欠乏状態に陥り、それによって夜中に頻繁に目覚めてしまい、睡眠が途切れてしまう。このため、昼間に強い眠気が生じる、あるいは呼吸・循環・代謝各器官に悪影響が及ぶ。
米国では、成人の26%が程度の差はあるもののOSAに罹患しているという。勤労者のOSA罹患率に関する研究によると、30歳から70歳の年齢層のうち、男性のOSA罹患率は34%、女性は17%。また、中国流行病学調査から、中国の成人の20.4%はOSAに罹患していることが明らかになった。
研究の結果、OSAは患者の健康や仕事の能率にダメージをもたらすことが判明した。また、OSAは心疾患・脳血管疾患、脳血管系疾患や代謝疾患の合併症を引き起こす可能性がある。