今年に入り、市場では中国の外貨準備高に高い関心が寄せられている。というのも、この数値は往々にして、中国からの資金流出の状況をあからさまに反映しているからだ。最新の統計データによると、4月末の時点で、中国の外貨準備高は3兆2200億ドル(1ドルは約110円)と、2014年6月以降初めて2カ月連続で前月比増加した。外貨準備高が持ち直した原因はどこにあるのだろうか?また、今後の動向はいかに?新華網が伝えた。
中国人民銀行(中央銀行)が今月発表した最新の準備資産データによると、2016年4月末の時点で、中国の外貨準備高は前月比70億6400万ドル増の3兆2200億ドルと予想を上回り、2014年6月以降初めて、2カ月連続で前月比増加した。
また、国家外貨管理局の最新統計データによると、2016年4月、銀行の外貨決済・購入の赤字が237億ドルとなり、赤字幅は前月比35%縮小した。銀行部門以外の対外的な資金の受け取り・支払いの赤字は89億ドルで、前月比66%減少した。このような状況からも、中国から海外への資金流出圧力がやや緩和されたことが見て取れる。
昨年11月、中国の外貨準備高は872億ドル減少した。翌12月には1083億ドル、今年1月には994億ドル、それぞれ減少した。減少は2月も続き、3月になってようやく下げ止まった。4月の最新データを合わせてみると、今年初めに起こった外貨準備高が速すぎるペースで減少しているという懸念は緩和された。
外貨準備高が2カ月続けて増加したことについて、オーバーシー・チャイニーズ銀行(華僑銀行)の謝棟銘エコノミストは、「FRB(米連邦準備理事会)の利上げ予測がクールダウンするのに伴い、ドルは最近下落傾向にあり、中国外貨準備高のうちドル以外の資産のドル建て評価額が高まった」と分析した。
招商証券の謝亜軒・マクロ研究主管は、次の通り分析した。