長征7号ロケットは25−29日に、海南文昌衛星発射センターから打ち上げられる。低緯度地区からの打ち上げにより、静止トランスファ軌道の衛星積載能力を高め、衛星の使用寿命を延ばすことができる。しかし「高温・高湿度・高塩分」「強い台風・降雨・豪雨」という特殊な気候環境にも直面する。長征7号はこれらの課題に向け、一連の新たな設計を行った。北京日報が伝えた。
◆防水を徹底
海南文昌衛星発射センターは湿度が高く、通年に渡り12時間内に5−15ミリの雨が降ることが多い。雨水のほか、ロケット表面やチューブ内の結露なども、ロケットの正常な打ち上げに影響を及ぼす。
中国運載火箭技術研究院長征7号ロケット構造デザイナーの盧松涛氏は、「防水機能は極力、構造設計により実現する。長征7号ロケットは至る所に防水設計が施されていると言える」と話した。
例えばロケット連結部、小さな穴やすき間にもテーピングし、シリコンゴムを塗りこむ。排気口は、排気・防水の二つの機能を同時に実現する。低温液体タンクの注入で避けられない結露については、排水口を開き取り除く。
◆防風装置で強風に対処
海南文昌衛星発射センターは毎年8−11月にかけて、熱帯の強い暴風と台風の影響を受ける。臨海部であるため、風速は地上の高度が上がるにつれ強まる。同研究院長征7号ロケット副チーフデザイナーの程堂明氏は、「地上ではそよ風と感じても、ロケット先端部分は強風である可能性がある。我々はこの高度によって変化する風を、浅層風と呼んでいる」と述べた。
長征7号ロケットのチームは、ロケットの局部構造を補強し、かつ「防風装置」を取り付けた。
この装置を広げるとトラス状になり、一端を移動発射台のタワーに固定してから広げる。もう一端はロケット中段のエンジンのハウジングと連結する。こうすることで垂直移動中に、ロケットとタワーを結びつけ、ロケットが受ける風の影響を弱めることができる。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年6月24日
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