縮小版多目的宇宙船の帰還モジュールが26日夕方、無事「帰宅」した。これは中国の次世代中型ロケット「長征7号」の初打ち上げの任務が、すべての目標を達成したことを意味する。中国青年報が伝えた。
長征7号はその20時間前、海南文昌衛星発射センターから打ち上げられた。あまり知られていないことだが、いくつかの神秘的な「乗客」も同ロケットと共に宇宙に打ち上げられた。これには遠征1号甲・上段ロケットが含まれる。この宇宙機は長征7号によって地球周回軌道に入ると、搭載されているペイロードにより別の軌道や位置に移ることができる。他にも縮小版多目的宇宙船帰還モジュール、情報中継基地として宇宙・地上の情報伝送を行う2つの宇宙機「天鴿」、軌道上の燃料注入実験装置、キューブサット「翺翔之星」が含まれる。燃料注入実験装置は「宇宙燃料補給機」のようなもので、宇宙軌道上で衛星や宇宙ステーションなどにガス・液体を補給し、宇宙機の使用寿命を延ばす。翺翔之星は地球重力場の測量、宇宙抗放射線実験、自然偏光衛星航法技術の検証といった、一連の革新的な実験を行う。
最も注目されている乗客は、未来の「深宇宙へ向かう箱船」とも呼ばれる、縮小版多目的宇宙船帰還モジュールだ。縮小版モジュールと呼ばれるのは、正式な帰還モジュールの縮小版だからだ。高さは2.6メートル、重さは約2.8トン。先輩である有人宇宙船「神舟」の「鐘形」とは異なり、このモジュールは逆円錐型で、「弾丸」に似ている。
中国航天科技集団宇宙技術研究院の縮小版多目的宇宙船帰還モジュール技術担当者の楊雷氏は取材に対し、「未来の正式な帰還モジュールは、宇宙飛行士を月や火星、もしくはその他のより遠い宇宙から、安定的かつ快適に、より正確に地球の着陸地点に送り届ける。縮小版モジュールは、これに向けた技術検証を行うため打ち上げられた」と話した。
中国の既存の神舟宇宙船は、低地球周回軌道での任務(宇宙ステーションなど)向けに設計されている。楊氏は、「今後もし月もしくは火星に上陸するならば、宇宙船はより高い能力が必要になる。我々はそれに向け、技術の準備を進めている」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年6月28日
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