2016年12月6日  
 

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「君の名は。」中国の興行収入早くも億レベルに 日本映画の中国公開記録更新か (2)

人民網日本語版 2016年12月06日10:45

○「楽しい作品を作る」

ほとんどのネットユーザーから好評を博している同作品だが、その鍵を握るのは、「人を感動させる純愛」「完璧なディテール」「少女心満載」といった点だ。多くの人々が、「以前は、風景や自然描写の美しさを表現することで有名だった新海監督が、この作品では、複雑なストーリーを余すことなく表現している」と評価している。

「ストーリーは語れない」とこれまで批判されていた新海監督は、「ほしのこえ」「雲のむこう、約束の場所」「秒速5センチメートル」「言の葉の庭」など数多くのアニメ作品を手掛けており、「少年少女の恋愛」が各作品の主なテーマだった。男子高生と女子高生が夢の中で出会うことからストーリーが展開する今回の新作は、題材的には過去の作品と似通っている。しかし、新海監督は、「私たちの人生には、出会うべき相手は必ずいる。明日、あるいは明後日、あるいは1年後に出会う人が、自分の人生において非常に重要な人である可能性がある。そのことを理解して初めて、2人の本当の関係が始まることを、この作品を通じて伝えたかった」としている。

男性主人公と女性主人公の魂が入れ替わるという設定によって、新海監督は、少年と少女の距離を表現しようとした。「実は、2人の間の距離はゼロになっていた。このゼロ距離は、同時に、限りなく遠い距離でもある。というのも、2人は実際に会ったことがないため、2人がお互いに融合状態に入った時点でだんだんとお互いが独立する状態に入り、各自が大人という完成形になるまで成長していく」と新海監督は述べた。

過去の新海作品の多くは、開放的あるいは悲劇の結末を迎えている。主人公は、離れ離れになる、もしくは行き違いになってしまい、最終的に結びつくことはない。だが、「君の名は。」の結末は、意外にもハッピーエンドだ。これについて、新海監督は、「確かに、過去の作品の多くは、初恋が実らないというストーリーだった。これは、人生において初恋も夢も良いことだが、実際には失敗の方が成功よりはるかに多く、成功を手中に収める人は極めて少ないからだ。たとえば、『秒速5センチメートル』では、たとえ夢を実現できなくとも、初恋を実らせることができなくとも、我々は強く生きて行かなければならない、ということを表現したかった」と語った。

新海作品のコンセプトが変わるきっかけとなったのは、2011年の東日本大震災だった。その時受けた心の傷によって、日本人は、快楽や幸福を得られる何かをより強く求めるようになった。このため、新海監督のなかに、「過酷な現実の中にいるからこそ楽しい作品を作ろう」という想いが生まれた。新海監督は、「『君の名は。』では、たとえ手に入れるのが難しそうなものでも、限りなくそれを追い求め、手に入れるまで進み続けなければならないことを表現したかった」と話した。(編集KM)

「人民網日本語版」2016年12月6日


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