ご飯は、中国の多くの一般家庭でも主食として食卓に並ぶ。そんな米がここ数年、中国では、「海外からお取り寄せ」される商品となり、500グラム数十元(1元は約16.5円)の高価なものも少なくない。
お米の専門家・劉厚清さんは取材に対して、「食感に関しては、各個人の主観である程度評価が異なるが、客観的に見ると、海外から取り寄せた米は中国市場の米とは確かに品質に差がある」とし、「中国の国産米と日本産の米を比較テストしたことがある。米粒を見ると、中国の米は欠けているものが多く、洗う時は、でんぷんの量が多いため7-8回洗わなければならない。一方、日本産の米は、2—3回洗うときれいになる」と説明した。
米になぜそれほど差が出るのだろう?
劉さんによると、「基準がその主な原因」。「米の業界を見ると、中国には基準がないのではなく、多くの高い基準も制定されている。ただ、基準が大まかで、『生産量』に重点を置いた基準が多い。『おいしさ』よりも『お腹を満たす』ことに重点が置かれている。そのため、消費者の新たなニーズを満たすことができない」と指摘している。
日本では、米の育種、田植え、収穫、加工、保存、販売など、全ての部分に明確な基準がある。これらの基準を設定する主な目的が、「米が消費者の口に入った時に、香ばしい香りを楽しめるようにするため」。例えば、含まれるタンパク質の量は米の食感に大きな影響を与えるため、日本では、その含量が8%以下になっている。劉さんは、中国の多くのブランド米を検査したところ、タンパク質の含有量が総じて多く、平均約9%。10%近いものもあったという。また、新鮮さを保つために、日本の精米は通常、賞味期限が「3ヶ月」以下になっている。これほど厳しい基準の制定は、中国では非常に難しい。
中国国際ブランド管理センターの許京センター長は、「基準は市場において、全ての商品の合格ライン。その役割は非常に大きい。多くの先進国と比べて、中国の多くの業界の基準は全体的に低いか、大まか過ぎる。そのため、中国の米の基準は、『国外では不合格になるのに、中国市場では合格になる。国外の合格品が、中国では高品質商品になる』という、矛盾が起きる商品を生む誘因となる」と指摘する。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年12月5日
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