豪華客船を利用したクルーズ船観光という新たな消費モデルは、消費者の間での認知度がますます上昇し、中国市場には巨大な潜在力が備わっている。「経済参考報」が伝えた。
現在、中国市場では国産のクルーズ船3隻が海外のクルーズ船企業と競争を繰り広げているが、実際のところ中国側の状況はかなり厳しい。輸送力をみると、世界4大クルーズ船企業は中国市場での供給量の81.36%を占め、このような非常に高い産業の障壁があるため、中国のクルーズ船企業が船1隻を市場に打ち出したところで、スケールメリットを得ることは困難だ。中国側はクルーズ船産業の大々的な発展の中で十分な成果を上げているとはいえない。
専門家は、「クルーズ船消費で日本や韓国など他国に花を持たせるべきではなく、中国企業が産業チェーン全体に関わり、クルーズ産業の発展成果を享受できるようにしなければならない」と指摘する。
国家観光局規劃財務司の張西竜副司長は、「クルーズ船観光は海上を漂う『黄金の産業』などと言われ、中国では大衆消費時代を迎えつつある。上半期だけで、中国の港湾を訪れたクルーズ船は415隻に上り、前年同期比81%増加した。中国は今や世界8位のクルーズ船観光客供給国であり、最も活力に富んだクルーズ船市場だ」と話す。
中国交通運輸協会遊覧船クルーズ船分科会が作成した「2015年中国クルーズ船発展報告」によると、2015年には中国の10大クルーズ船寄港地にのべ629隻が寄港し、同35%増加した。クルーズ船利用客の出入国者数はのべ248万人で、同44%増加した。
同協会の銭永昌会長は、「中国のクルーズ船経済には10年間の発展の歴史があり、母港や航路を運営する国際クルーズ船は1隻・定員800人から、現在は18隻・定員4万人へと発展した。中国クルーズ船市場は環渤海地域、長江デルタ地域、珠江デルタ地域の3大エリアを旅客供給源とするクルーズ船経済圏を基本的に構築した。クルーズ船消費は消費者の間でますます人気を集めている」と話す。
同分科会の鄭■(火へんに韋)航常務副会長は、「クルーズ船観光は旅行会社に似たワンストップサービスを提供する。船は単なる移動や交通の手段ではなく、旅行の目的地でもある。クルーズ船では太陽の光や海からの風を楽しむだけでなく、多彩な船上イベントに参加することもでき、これこそがクルーズ船の文化とバリューの核心だといえる」との見方を示す。
業界では、中国のクルーズ船利用客は2020年にのべ450万人、30年にのべ1750万人に達し、中国は世界最大のクルーズ船市場になると予測する。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年12月28日
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