2017年9月8日  
 

中日対訳健康知恵袋 企画集 北京のお気に入り

新着|政治|経済|社会|文化
中日|科学|動画|対訳|企画
Apple新浪ツイッターFBLINE微信RSS
人民網日本語版>>中日フォーカス

禅を世界に広めた仏教学者・鈴木大拙を日本人は如何に紹介しているか? (2)

人民網日本語版 2017年03月24日11:10

数々の著作を残した仏教学者を、このように非常にシンプルな形で記念するそのスタイルに、感銘を覚えた。鈴木大拙が米国に渡って書籍の出版を行ったことや海外で数々の公演を行ったという輝かしい海外活動を紹介することも、そのたくさんの著作を展示して販売することも、有名人と一緒に映る写真が展示されていることもない。玄関の本棚に置かれている本も禅宗を普及させるための書物であって、鈴木大拙の著作ではない。

鈴木大拙が提唱する禅は、極めて簡素な生活理念で、自我を知り、自我に帰り、寛容と慈悲の世界に入るようにと説いている。「鈴木大拙館」を設計した建築家は、そのような鈴木大拙の精神を悟り、独特の世界観広がる同館を設計したのだろう。

鈴木大拙のことを知っているかに関わらず、ここに来た人なら誰でも、極めてシンプルであるにもかかわらずそこに秘める大きな力に心を揺さぶられ、生活態度や美的意識、人生観などの面で感じるものがあるに違いない。

中国の禅宗は、明(1368-1644年)の時代以降、衰退したものの、主要な宗派が日本に伝えられ、禅宗五家の曹洞宗や臨済宗は日本の仏教の主要な宗派となっていった。中国禅宗の開祖・菩提達磨(ぼだいだるま)の禅宗が中国で伝承され、日本にも伝えられたそれら過程をまとめ、それを英語の著書にして西洋で広めたのは、東アジアでは恐らく鈴木大拙しかいないだろう。

近年、中国の翻訳者がその英文の禅宗著作を中国語に訳して、中国の読者に紹介している。しかし、中国には中国の禅宗を研究する著作がまだほとんどない。

伝統をどのように研究、継承し、宣伝するかという点で、日本から学ぶ価値がある点が多々ある。(編集KN)

「人民網日本語版」2017年3月24日


【1】【2】

関連記事

コメント

最新コメント