講演会で歌を歌う小牧義美さん
それでも、立ち上げたばかりのころは、たくさんの困難にも直面したという。「初めは、中国の大学生に理解してもらえず、僕たちの活動にも参加してもらえなかった。JIAも登録できなかったため、銀行の口座も作れず、スタッフたちは社会保険もなかった。政府や学校と正式に関係を築くことができず、資金にも困った。資金は現在、少しずつ安定してきた。また、12年から広州の政策が変わり、業務主管機構とのやり取りが必要なくなり、JIAも主管官庁へ報告してその記録に載せてもらうだけで登録できるようになった」と原田さん。
現時点で、JIAの活動には約2000人のボランティアが参加し、その会員は1万人以上。これまでに1万9千人が活動に参加した。JIAの活動が拡大するにつれ、社会上でもハンセン病快復者村に注目が集まるようになった。原田さんは、「もうダメと思った時は、いつも快復者村の快復者たちが励ましてくれた。その励ましがあったから、今まで続けることができた。『助けている』という気持ちが少しずつ『助けてもらっている』という気持ちに変わった。互いに助け合い、影響を与え合って初めて一緒にやり続けることができる」と語る。
「快復者村には小牧さんのような快復者がたくさんいる。困難も多いけど、みんな強い気持ちと楽観的な姿勢を保ち、あきらめることなく生き続けている。快復者の存在は『社会問題』ではなく、『社会の財産』になっている」と原田さん。
今月1日午後に北京で行われた講演会で、原田さんらは中国のハンセン病快復者村での活動の体験などを語り、来場者を感動させた。北京に住む主婦・竇さんは、「原田さんの言葉や小牧さんの歌声を聞いて癒されたのは私たち。小牧さんが歌を歌った時、涙がこぼれた。誰かを助けるというのは、実際には自分を励ますこと。今日は助けるために来たけど、結局たくさん励ましてもらった」と話した。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年4月7日
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