そして、「中国が日本のことをこれほどの規模で理解しているというのは、歴史上で初めてことで、エリート意識もない。数百万人が日本を旅行するとなると、東京や大阪などの大都市のことを知るというレベルにはとどまらず、中国人は日本人の生活全体をリアルに知るようになっている。エリート層ではなく、一般市民が実際の体験を通して、日本のことを波が呑み込むかのうように理解するというのはこれまでになかったことで、中国はこれまでに経験したことがないほどの規模で日本を理解するようになっている。例えば、私は日本の作家・又吉直樹の小説『火花』を翻訳している時に、両国は文化交流を深く行っており、互いに相手のことをよく知るようになっていると感じた。昔なら中国人が日本の文学作品を読むと、畳や日本酒、下駄などの日本特有のものが登場し、距離を感じた。しかし、『火花』が描写している世界は中国人も自分の生活と照らし合わせやすく、描写されている地下鉄や公園、バーなども、全く違和感がない」と説明する。
このように日本のことを深く理解するようになっているため、毛丹青は、「中国人が日本を旅行しても、以前のように観光スポットをざっと見て回るだけにとどまらず、日本について理性的、かつ客観的に理解するようにもなっている。現在、日本旅行のリピーターが増えていることを、いろんな数字が示している。多くの中国人が日本の文化の中には自分たちが成長するうえで、助けになるものがあることに少しずつ気付いている」と指摘する。
また、毛丹青は授業において、日本人生徒に中国文化を余すところなく紹介している。例えば、中国中央テレビ(CCTV) の人気グルメドキュメンタリー「舌の上で味わう中国(原題:舌尖上的中国)を授業中に流すことがあり、生徒たちは、中国人が一般的な食材を使ってバラエティに富んだ料理を作ることができることに、驚きを隠さないという。毛丹青は、「主食を紹介する回で、目隠しを付けられたロバが臼をひくシーンが何度も出てきた。80後(1980年代生まれ)や90後(90年代生まれ)の日本の学生にとっては、見たことがないものであるため、とても興味深いようだ。同番組を見て、中国の文化は奥深く、日本の映画やテレビ番組で見る、北京、広州、上海のホテルや高級車ばかりが中国の全てではないことを生徒たちは初めて知る」と語った。(次回につづく)(編集KN)
「人民網日本語版」2017年5月25日
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