南中国海における行動規範(COC)の枠組文書が、先日の中国ASEAN外相会議で順調に承認された。中国とASEAN諸国の共同努力による大きな外交成果であり、溝を適切に管理・コントロールし、共に認める地域ルールを制定する知恵と能力が各国にあることを示すものだ。地域の平和・安定維持にとって重大な意義を持つだけでなく、「一帯一路」(the Belt and Road)イニシアティブとASEANのコネクティビティ戦略の連携にも良好な協力の雰囲気をもたらした。(文:張潔・中国社会科学院アジア太平洋・グローバル戦略研究院研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
枠組の承認は困難を経て実現したものだ。
2011年以降、南中国海情勢はヒートアップし続け、紛争関係国の利益の衝突が激化。米国がアジア太平洋リバランス戦略を実施し、地域の平和は脅かされた。まさにこうした政治的雰囲気の中で、中国とASEAN諸国はCOC協議に入った。
だが、回を重ねた高官会議と共同作業部会の最中に、南中国海仲裁裁判の茶番が激しくなり、米日など域外国が南中国海問題への干渉の度合いを強め続けたために、中国とASEANの協議過程は大きく妨げられた。
幸いなことに、南中国海情勢、とりわけ仲裁裁判問題におけるASEAN諸国の立場は、多少揺れ動いたものの依然として自制が保たれた。同時に、中国は海上での力を増強し続けても、南中国海問題の平和的解決という政治的意志を放棄しなかった。まさに南中国海問題処理の唯一の効果的な道は直接の対話・協議であると双方が認識したからこそ、圧力を動力に変え、妨害を排除し、小異を残して大同につき、COCを枠組承認へと導くことができたのだ。
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