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「待機児童」問題が深刻化する日本社会 (2)

人民網日本語版 2017年08月11日11:05

現在、日本の保育所は、保育の必要性の優先順位を点数制で決定している。通常、親が障害者の世帯、ひとり親世帯、同居の親族がいない世帯などの子供が優先的に入所できるようになっている。しかし、実際には、保育所が受け入れることができる児童の人数は限られており、入所できない児童は、今保育所にいる児童が小学校に入学するのを待ち、もう一度申請しなおさなければならないというのが現状だ。多くの待機児童は、小学校に通う年齢になっても、保育所に入所する資格を得ることができない。祖父母が孫の世話をするというのは、日本の社会ではあまり見られないため、保育所に入所できない子供を持つ女性の多くは、子供が小学校に通い始めてから働くしかない。

東京都高等学校教職員組合の委員長を務める藤野正和氏は、「育児は本来、家庭、コミュニティ、政府、社会が共同で負うべき責任。しかし、日本では、育児は女性の仕事と見られているというのが現状。その負担が若い女性の肩に重くのしかかっている」と指摘する。

長年、日本の教育問題を研究している南京工業大学外国語学院の陳世華教授は、「安倍晋三首相は、女性が十分に才能を発揮できる『一億総活躍社会』の構築を目指しているものの、待機児童問題を解決できていないため、逆に、職場で活躍していた多くの女性が、育児のために仕方なく家庭に戻って『専業主婦』にならなければならない状況になっている。女性に社会発展に寄与してもらううえで、最も重要なのは、専業主婦を解放すること。全ての待機児童が保育所に入所できるようにし、女性が働き始めの段階で抱える心配を根本的に解決しなければならない。その他、待機児童問題を代表とする育児問題は、出産適齢期の女性の出産に対する見方にも大きな影響を与える。そのような女性が出産を望まない、またはできない状態では、日本の少子高齢化問題に拍車がかかってしまうことに疑問の余地はない。そうなると、日本政府が期待する好循環どころか、逆に悪循環となってしまう」と指摘する。

長い目で見た計画、戦略が不足

藤野氏は、「待機児童問題が日に日に深刻化している根本的な原因は、日本の各行政機関がこの問題を十分に重視していないから。そのため、関連の政策制定を先伸ばしにし、具体的な対策も往々にして、少しの修正を加えるだけにとどまっている。頭が痛いと頭痛薬を飲み、足が痛いと足を治療するという、その場しのぎの対策ばかりで、長い目で見た計画や戦略が乏しい」と指摘する。

保育士不足の問題を例にすると、「3歳以上の児童20人につき一人の保育士」、「2歳以下の児童6人につき一人の保育士」というのが、日本の一般的な保育所の基準だ。しかし、人手不足であるため、この基準を満たすことができている保育所はあまりない。中には、保育士が見つからず、受け入れる児童の数を減らすことを余儀なくされている新しい保育所もある。


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