今年4月、トランプ政権は同じように世界貿易機関(WTO)成立後にはほどんど適用されてこなかった1962年制定の「通商拡大法」第232条を適用して、商務省に輸入鉄鋼・アルミ製品が米国の安全保障に損害を与えていないかの調査を発動する権限を授与した。
だがこれは閣僚や米ビジネス界、海外の盟友からそろって反対されるという希有な事態を招いたため、6月末になっても調査結果が公表できていない。トランプ大統領もその後、「第232条に基づく制裁はとりあえず考えない」と言わざるを得なくなった。
トランプ大統領が就任後にあきらめざるを得なくなった貿易関連の強硬な公約はまだたくさんある、たとえば中国を「為替操作国」に認定するとか、中国からの輸入商品に45%の関税を課すなどだ。
▽中米経済貿易問題は貿易戦争で解決すべきでない
米国が「301調査」を発動する可能性について、中国商務部(商務省)の高峰報道官は3日、「WTO加盟国が採用する貿易措置はすべて、WTOルールを遵守しなくてはならない。中米経済貿易関係は中米二国間関係にとって非常に重要で、両国が協力しあえばどちらにも利益になり、争えばどちらも傷を負う」と述べた。
英紙「フィナンシャル・タイムズ」は米国の一国主義的な対中貿易戦略について社説の中で、「こうした強硬な手段を利用すれば中国から極端な挑発行為とみられ、全面的な貿易戦争を誘発するリスクがある」との見方を示した。
米国の一国主義的措置が引き起こす可能性のある貿易戦争への懸念から、国際金融協会(IIF)はこのほど、「両国はそれぞれの優位性と貿易の新たなチャンスのより一層の発掘に努めるべき」との声明を出し、貿易戦争による問題の解決をはかるべきではないとの見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年8月14日
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