北京と新疆を結ぶ京新高速道路は北京から河北、山西、内蒙古(内モンゴル)、甘粛、新疆まで通過し、その沿線には草原や森、砂漠、ゴビ砂漠、氷河といった10種類からなる自然風景を目にすることができ、500キロメートルにわたる「無人区」と呼ばれる人の住んでいないエリアも通過する。今年7月に、内蒙古(内モンゴル)自治区の臨河-白疙瘩区間の開通によって、この「最も美しい高速道路」と呼ばれる全長2768キロの京新高速道路が全線開通し、これにより北京から新疆までの走行距離が1300キロ余り短縮された。
▽不毛の地に走る高速道路
2015年の春節前に工事を開始して以来、業務の忙しさから家族と触れ合う時間が少なくなってしまった作業員が非常に多くなった。なぜなら作業現場のある内モンゴル西部の広大なゴビ砂漠地域では、工事前期は携帯の電波さえ届かなかったからだ。そのため工事現場での作業に入ってしまうと、短くて10日間や20日間、長い場合は1~2ヶ月間にわたり、家族と連絡が取れなくなってしまう。また携帯の電波だけでなく、広いゴビ砂漠では道はおろか、水や電気もなく、人の気配すらないといった困難もあった。
広大なゴビ砂漠を前にしては、人間などほんの小さな存在に過ぎず、それもまたこの無人区を通過する高速道路の偉大さをよりはっきりと示しているといえる。そして施工者たちがゴビ砂漠に生息している胡楊(コトカケヤナギ)のように、この不毛の地に希望の種を蒔き、人類文明のしるしを残したともいえるだろう。
▽経済利益をもたらす高速道路
京新高速の開通以来、観光客の人数は昨年の180万人から今年は480万人まで増加し、観光収入も倍以上に達した。このように経済や情報、物資の流通は現地の発展にとって大きな意義をもつ。
しかし、遊牧民の若い世代の多くが都市に流れ、広大なゴビ砂漠を耕地し、放牧する若者が少なくなってきている。エジン旗の譚志剛副旗長は、農民と遊牧民の流出を止めるため、政府はさらに力を入れ、彼らにより良い待遇を与える必要があるとしている。
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn