だがISRIのシニアディレクターのアディナ・アドラーさんは、「中国の高い基準や厳しい要求は米国企業にとって悪いことばかりではない。中国が設定した輸入基準を満たすため、一部の米国の廃品回収企業は高いコストをかけて人工知能(AI)を採用しゴミの分別を行うようになっているからだ」とした。
▽オーストラリア:プレッシャーもチャンス
オーストラリアメディアの報道によると、中国の禁止令が発効されると、オーストラリアの回収可能ゴミ61万9千トンの輸出が影響を受け、金額にすると5億2300万オーストラリアドル(1オーストラリアドルは約88.1円)に達するとしている。オーストラリア放送協会(ABC)は、「中国の禁止令は大きな影響を及ぼすことになる。市場に大量の回収可能ゴミが流れ込み、値崩れすると考えられるからだ」との見方を示した。
オーストラリア環境・エネルギー省のジョシュ・フライデンバーグ大臣はコメントの中で、「中国の禁止令は一部の産業にプレッシャーをもたらすが、同時に一部の産業にとってはチャンスを生み出すことにもなる」と述べた。
オーストラリア廃棄物管理連盟のガル・スローン最高執行責任者(COO)は、「業界は中国のやり方を理解し、中国が国内の循環型経済の発展を推進したい考えであることをわかっている。そしてこの動きはオーストラリアにとっても自国の循環型経済を発展させ、廃棄物産業の雇用を生み出す機会になるといえる」と表明している。
また、スローンCOOは、「オーストラリアは『投入、生産、廃棄』という従来の考え方を捨て去り、『回収、再利用、再生産』モデルを構築し、メーカーが再生可能ゴミを購入し循環利用するようにするべきだ」とした。
▽日本:輸出先の切り替え
長年にわたり、日本の回収可能ゴミはその多くが中国に輸出されていた。統計データによると、日本が輸出した廃プラスチックの約半分、古紙の約70%が中国に売られていた。
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