中国外交部(外務省)の陸慷報道官はワシントンで現地時間10日、楊潔篪国務委員(中共中央政治局委員)の訪米について記者の質問に答えた。中国新聞網が伝えた。
【記者】ここ数日、メディアは楊国務委員の訪米に高い関心を寄せている。今回の訪米の主な状況や具体的成果を紹介いただきたい。
【陸報道官】楊国務委員はティラーソン米国務長官の招待を受けて8、9両日に訪米した。訪問期間中、楊国務委員はトランプ大統領と会談したほか、ティラーソン国務長官との会談及びワーキングランチ、マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)及びクシュナー米大統領上級顧問との会談、米国各界の重要人物との懇談に臨んだ。
楊国務委員はトランプ大統領や米高官、各界との間で、中米関係及び関心を共有する国際・地域問題について踏み込んだ意見交換を行った。
楊国務委員は、習近平国家主席とトランプ大統領が共に先導する中、中米関係は昨年重要かつ前向きな進展を得たとし、昨年11月のトランプ大統領訪中で、両国首脳は重要な共通認識と成果にいたり、中米は世界の平和・安定・繁栄の維持において広範な共通利益と重要な責任を有しており、中米関係の行方は重要な世界的影響を持ち、発展し続ける中米関係は両国民の根本的利益にかなうのみならず、国際社会の一致した期待でもあると強調している。
また楊国務委員は、今年にはいってからも両国首脳は電話や書簡などで緊密な連絡を保ち、両国のチームに対して一朝一夕を争う精神で広範な分野の協力を推し進めるよう指示し、努力の方向性を明示したとし、両国のチームは引き続き北京での中米首脳会談の共通認識と成果をしっかりと実行に移し、上層部及び各レベルの緊密な交流を保ち、4つのハイレベル対話制度を活用し、経済・貿易、両軍、法執行、麻薬取締り、人的文化的、地方分野の交流や協力を拡大し、朝鮮半島核問題など重大な国際・地域問題について意思疎通と調整を強化し、溝や敏感な問題を建設的方法で管理・コントロールし、中米関係が積極的な成果を一層得るよう確保する必要があると指摘している。
さらに楊国務委員は、中国は中国の特色ある社会主義思想の道をたゆまず歩き続け、中国国内に向けては全面的な改革を大いに推し進め、対外的には平和的発展の道をしっかり歩み続け、互恵・ウインウインを奉じて対外開放戦略を進めていくと強調した。そして中米関係が積極的な発展を保つことは、両国民の根本的利益にかなうだけでなく、国際社会の一致した期待でもあり、米側が中国側と同じ方向に向かい、尊重し合い、互恵的に、中米関係の長期的で健全な安定した発展を後押しすることを希望するとした。
米側も同様の見方を示しており、両国首脳が先導する中、過去1年における米中関係は前向きな進展を得たとし、トランプ大統領による昨年11月の公式訪中は大きな成功をおさめたとした。また米中関係は米国にとっても非常に重要であり、米中は一連の協力を進めているとの認識を示した。さらに、中国側との協力強化を望むほか、中国側と成果に富む建設的関係を発展させ、双方は北京での米中首脳会談の共通認識と成果をしっかりと実行に移すべきだとした。その上で、中国側と共に努力して、互恵協力を強固にし、拡大し、相互尊重に基づく姿勢で溝を適切に処理し、両国関係が前向きな進展をさらに得る後押しをしたいと表明した。
中米の経済・貿易関係について、楊国務委員は、「中米の経済・貿易関係の本質が互恵的で、両国民に多大な利益をもたらしてきたことは数多くの事実がすでに証明している。双方は北京での中米首脳会談の経済・貿易分野の成果をしっかりと実行に移し、エネルギーやインフラ整備、『一帯一路』分野において一層の実務協力実施を検討し、引き続き両国のマクロ経済や国際経済問題について政策調整を強化する必要がある。双方は互いに市場を開放し、協力のパイを大きくすることで経済・貿易問題を適切に処理し、両国の経済・貿易関係の健全な発展を維持するべきだ」と指摘した。
米側も米中の貿易関係は非常に重要との認識を示し、双方は両国の経済・貿易問題の効果的な解決策を共に研究し、協議するべきだとの見方を示している。
双方は朝鮮半島核問題についても意見交換を行った。中国側は終始朝鮮半島の非核化実現に尽力し、朝鮮半島の平和・安定維持に尽力し、対話と協議を通じた問題解決に尽力しているとし、国際社会は朝鮮と韓国の関係改善を支持し、現在のように緩和した情勢が続くようにすべきだとの見方を示している。楊国務委員は、「中国側は米側と共に、相互信頼と相互尊重を基礎に意思疎通と調整を保ち、朝鮮半島問題の適切な解決を後押ししたい」と表明した。
楊国務委員は米側と重要な二国間分野及び国際・地域問題での中米の広範な協力についても踏み込んで意見交換した。双方は今年上半期に中国で第2回中米外交・安全保障対話を行い、年内の早い時期に第2回包括的経済対話、社会・人的文化的対話、法執行・サイバーセキュリティー対話を行うことを決めた。
陸報道官は、「楊国務委員の今回の訪米は、北京での中米首脳会談後初の両国上層部による対面形式での接触となり、その訪問期間中、双方は中米関係や関心を共有する重要な問題について踏み込んで意見交換した。これは双方が次の段階において北京での中米首脳会談の共通認識と成果をしっかりと実行に移し、各分野の中米交流・協力を計画し、推進する上でプラスとなる」とした。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年2月12日
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