このほど北京故宮博物院初となるポップアップストア「朕的心意」(皇帝のおもてなしギフト)が北京の三里屯にオープンした。
オープン早々盛況となっており、なかでも若い世代の顧客が圧倒的多数を占めている。「故宮食品・朕的心意」の総裁補佐を務める陳剛氏は記者に対し、「先週末のわずか2日間でほとんどの商品が売り切れになり、すぐにも在庫の補充をしなければならず、朝の開店から夜の閉店まで客が絶えない状態だ」と話した。
▽その取扱い商品とは?
このポップアップストアでは、ネットで人気となった故宮日めくりカレンダーやマスキングテープなどの文化的なクリエイティブグッズのほかにも、故宮の蔵書「海錯図」をもとにデザインされた海錯ジグソーパズルや故宮の要素を取り入れた水筒やアクセサリー、故宮にまつわる食品といった様々な商品が並んでいる。
そしてなかにはこれまでなかったような商品も少なくない。例えば海錯ジグソーパズルは蔵書「海錯図」の中の魚類を描いた作品を子供向けのブック型ジグソーパズルにすることで子供たちにも貴重な文化財に触れる機会を生み出している。
また、故宮文化財の模様がシルクスカーフや鞄、水筒などに使用されている。昨年注目を集めた文化財「千里江山図」はペン立てのデザインに採用され、故宮の猫も置き物のデザインに用いられている。
食品では、故宮要素を取り入れたジンジャーティーや栗、クッキーなどのほか、旧正月用の中国式お菓子セットも販売されている。
▽客の反応は?
厳粛で伝統と歴史を持つ故宮が現代的でファッショナブルな雰囲気漂う三里屯という場所に姿を現し、この伝統と現代ファッションの融合が、新たなトレンドを生み出している。
2月2日にオープンするとたちまち数多くの人々がこの赤い壁と黄色い瓦という店の外見に注目を寄せていた。ある客は取材に対し、「三里屯に故宮のポップアップストアをオープンさせるということ自体、とても目立つこと。ちょっと中に入ってみてみたいという気にさせられる」とした。
陳氏は、「オープンした2月2日と次の日の2日間はちょうど週末だったとはいえ、来客数が1日あたり約4000人に達していることから見ても、人々のこれらの商品に対する非常に高い関心を示していると言えるだろう」とした。
▽どんな客が買うのか?
ポップアップストアを訪れる客のほとんどが若い世代の人々だ。
陳氏は、「このポップアップストアを三里屯にオープンさせた目的は、流行を愛するファッショナブルな若者たちに伝統文化を伝えること。三里屯は北京市においても年若く、ファッショナブルな人々が集まるという特徴を持った場所であるため、ここにオープンすることを選んだ。伝統文化を代表する故宮と三里屯とのコラボはより面白み感じてもらうことができるだけでなく、現代の若者に受け入れてもらいやすい」とした。
ポップアップストアというスタイルでの出店は、故宮文化を人々に伝えるための初めての意義のある試みといえる。ポップアップストアの出現により、故宮文化をより多くの人々の日常生活に近づけるだけでなく、人々がショッピングを通じて気軽に故宮文化を感じることができ、さらに店内のインタラクティブイベントを通じて、興味深い文化体験をし、伝統文化の伝播に積極的な役割を果たすことになる。
また、陳氏は、「条件が整えば、北京市以外の都市にもポップアップストアをオープンさせることができるかもしれない」との見方を示した。(編集HQ)
「人民網日本語版」2018年2月11日
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