中国航天科技集団が27日に発表した情報によると、同集団第一研究院が開発するロケット「長征11号」が今年、中国初の海上打ち上げ任務を実施する計画だ。科技日報が伝えた。
近赤道・低軌道傾斜角衛星の打ち上げの需要が近年、日増しに旺盛になっている。赤道付近から同衛星を打ち上げれば、衛星の姿勢調整に必要する燃料を節約でき、さらに地球の自転を最大限に利用しロケットの力を温存することができる。これによりロケットはより重いペイロードを打ち上げることができ、打ち上げと運営にかかるコストを削減できる。
同研究院宇航部の唐亜剛副部長によると、衛星が到達できる最少軌道傾斜角は、現地の発射場の緯度と同じ角度であるとし、国内4大発射場のうち最南端にある文昌航天発射場は、北緯19度。傾斜角がさらに小さい打ち上げ任務の場合、赤道付近の海からの打ち上げが一つの選択肢になる。これは中国のロケット打ち上げによる宇宙進出能力の空白を補う。
しかし海上打ち上げは、ロケットの性能に対してより厳しい要求を突きつけることになる。大洋における補給能力は限定的で、ロケットの試験・打ち上げをよりシンプルにしなければならない。打ち上げ時にはさらに海面の揺れ、高温の熱流が生まれることから影響を受ける。そのため適切な制御・打ち上げ方法が必要になる。中国の次世代固体燃料ロケットである長征11号には、柔軟に打ち上げられ、迅速に反応できるといった特長があり、海上打ち上げの条件を満たしている。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年2月28日
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