BOSS直聘研究院の常■(さんずいに蒙)院長は、「データを追跡すると、北京、上海、広州、深センを離れた人のうち23%が15ヶ月以内に再び一線都市に戻っている」と述べた。
▽実家に戻って就職・起業は幸福感がより高い
崔敏さんは北京の有名大学に入学してから6年が経った5年前、北京で働くチャンスを捨てて、恋人と一緒に実家のある厦門(アモイ)で働き始めた。
崔さんは、「当時、親しい友人や同級生に厦門に戻ると言うと、不思議そうな顔をする人が多かった。有名大学を卒業したら北京で活躍するのが当たり前、実家に戻るのは競争に負けたのと同じと考えられていたからだ。でもここ2年ほどの間に、一線都市から厦門に戻って働く友人がどんどん増えている。今は自転車で15分もすれば家から職場に到着し、いつでも実家に帰ってご飯を食べさせてもらうことができる。北京に残った同級生より、自分の方が幸福感が大きい」という。より重要なことは、厦門経済がここ数年、勢いよく発展していることで、ゲーム会社に転職した崔さんの夫は、収入が大学卒業直後に比べて何倍にも増えたという。崔さんのような高学歴人材だけでなく、大勢の基層労働者が故郷での就職や起業を模索し始めている。
二線・三線都市は発展水準が向上して、人材を引きつける力もますます増大しており、「実家の近くで就職」が新たなトレンドだ。特に一人っ子家庭にとって、近場で仕事を探せばキャリアアップと両親の世話という2つのニーズをよりよく満たすことが可能になる。大都市病に苦しむ一線都市は、人材を引き寄せるサイフォン効果が弱まり、今後、人口規模の拡大ペースが減速することが予想される。
中国人民大学の副学長で経済学者の劉元春氏は、「大卒者が『新一線都市』に進出し、各都市間の発展がよりバランスの取れたものになり、相互に補い合うものになっている。一線都市が全国の優れた職場と発展チャンスを独占してきた局面に、今、大きな変化が生じている」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年3月13日
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