雷海為さん(37)は湖南省洞口県の出身で、今は浙江省杭州市でデリバリーサービススタッフとして働いている。彼はこうした境遇にも関わらず、その心は常に輝きを放っている。毎日三食の食事時間は合わせてもわずか30分を満たず、食費もたった25元(約425円)ほど。それでも雷海為さんは「唐詩三百首」を肌身離さず、出前の受け取りを待つ間や信号待ち、休憩時間を利用しては古詩詞を暗記したり、朗読している。雷海為さんは、「こうやって出前を一つ届けるころには詩を一首暗記できるので、とてもうれしい」と語る。雷海為さんは詩を暗記することが好きなだけでなく、詩詞の定型を独学で学び、暇さえあれば書店に行って本を探し、買うのはもったいないので、自分が好きな段落を暗記して、家に帰ってからそれらを書き留めるのだという。
雷海為さんのこうした詩詞に対する興味は小学校1年生の頃から始まったのだという。幼いころ、彼の父親は古詩詞を書き出しては、台所の壁に貼って、彼に読んでくれたと言い、「あの頃、父親は心ひそかに私に文化と素養を備えた人間になってほしいと思っていたんだと思う」と雷海為さんは語る。
将来について雷海為さんは、「デリバリーサービスの仕事は体力を使う仕事なので、年齢や体力的にも限界があり、長期的に続けられる仕事ではない。あと1、2年ほどこの仕事を続けたら、故郷に帰って、養殖などの仕事をしたいと考えている。ただ、今はまだ具体的には何も考えていない」とし、人気が出たことについても、「これほど多くの人が私に関心を持ってくれているが、本当は私自身に興味があるのではなく、こうした現象は現在ますます多くの人が伝統文化に興味を持ち始めている証だと思う。そしてこれは非常に良いことだと思う」とした。(編集TG)
「人民網日本語版」2018年4月9日
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