IT業界に注目している人なら、世界最高齢のプログラマー若宮正子さん(83)の名前を聞いたことがあるかもしれない。若宮さんは独学でプログラミングを23年間学び、いろんな成果も上げている。そんな若宮さんが今月15日、陝西省の西安高新ソフトウェアパークを訪問し、交流を行った。陝西網が報じた。
アップルの世界開発者会議に特別招待
東京出身の若宮さんは現在、神奈川県藤沢市に住んでおり、NPO法人ブロードバンドスクール協会の理事を務めている。15日、若宮さんは協会のメンバー二人と共に、西安高新ソフトウェアパークを訪問した。
若宮さんは高校を卒業後、三菱銀行に入社し、60歳で退職した。定年をきっかけに、同居する母親の介護をしながら、パソコンのスキルを独自に習得した。
2017年、当時82歳だった若宮さんは、ひな祭りをテーマにしたiPhone ゲームアプリ「hinadan」を開発し、同年2月にリリース。このアプリは大ヒットし、好評を博した。そして、同年、米国アップルによる世界開発者会議「WWDC 2017」にも特別招待された。
西安高新産業パークで15日、若宮さんは自身のスマホを使って「hinadan」を紹介。「日本で3月3日はひな祭り。ひな壇に着物を着た雛人形を飾り、女の子の健やかな成長を祈る。ゲームでは、4段のひな壇の正しい位置に12個の雛人形を並べるとお内裏様が褒めてくれる。高齢者は何をするにも時間がかかる。そのため、このゲームもとてもシンプルにできている」と説明した。
若宮さんはアップルのプログラミング言語・Swiftを学んで、このアプリを開発した理由について、「ゲームアプリは若者向けのものばかり。高齢者もスマホを使うようになっているけど、高齢者向けのゲームがなかったから」と説明した。
手芸とエクセルをマッチング
若宮さんは、ノートパソコンを使ってエクセルで描いた花の模様を紹介し、「日本の布に描かれた花の模様を見て、エクセルでそれを描き、色を付けている。そして、バッグやうちわにそれらの花の模様をプリントしている」と話した。
若宮さんによると、初めは何も分からず、カスタマイズの設定から学び、3ヶ月かけて、朝起きるとパソコンから「正子ちゃん、おはよう」というメッセージが送られて来るように成功した。そして、プログラミングのおもしろさを始めて知った。その後、パソコンに詳しい人と交流したり、パソコンメーカーと連絡を取ったりして、腕を少しずつ磨き、ソフトウェアの開発が徐々に自分の趣味になっていったという。
ピンク色の口紅でメイクした若宮さんの趣味は「世界旅行」
若宮さんは小柄で、ピンク色の口紅でほんのりメイクするなど清潔感にあふれている。そしてその話しぶりも非常に達者。
同行した女性によると、「プログラミングのほか、世界中を旅行することも若宮さんの趣味」といい、若宮さんは独身主義で、友人がとても大切な存在。人と交流し、社会とつながっていることを好み、食習慣も規則正しく、とても健康という。
今回西安を訪問した若宮さんは西安高新ソフトウェアパークも訪問して交流を行い、西安のソフト開発の発展を見たり、下半期に西安で開催が予定されている第2回世界プログラマーフェスティバルへの参加準備も行う。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年5月17日
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