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日本の労働力市場は新ステージへ 「働き方改革」

人民網日本語版 2018年06月07日10:56

日本で進められている「働き方改革」では、公平さを保ち、労働力を保護するにはどうしたらよいかが注目点になっている。日本の国会は法律を制定して働く人々の基本的な権利や待遇を保障すると同時に、労働生産性の向上にも力を入れる。司法の判断では、パートや契約社員などの非正規労働者に対する差別的待遇の解消が重視される。「経済日報」が伝えた。

ここ数年、日本の労働力市場にはさまざまな変化がみられた。労働生産性の向上を目的とした働き方改革関連法案がこのほど衆議院を通過し、参議院で審議入りした。またさまざまな産業の社員や労働組合が、パートと正社員が同じ仕事をしながら賃金に格差があるのは差別的として起こした裁判で勝訴した。現在は、改革で公平さを保ちつつ労働力を保護するにはどうすればよいかが、日本社会の注目する重点ポイントになっている。

1990年代初めにバブル経済が崩壊すると、日本は「労働者派遣法」を何度も改訂して、派遣社員の働く範囲を広げてきた。企業は労働生産性を向上させるため、契約社員、派遣社員、パートなどの採用を大幅に増やし、社会では所得格差が拡大した。「過労死」などの社会問題がたびたび起こり、「ブラック企業」や「派遣切り」がその年の流行語になった。

日本政府がこのたび打ち出した働き方改革プラン関連法案は労働時間、同一労働・同一賃金、健康管理などの面で社員の利益を保護すると同時に、労働生産性の向上にも力を入れ、一部の専門技術については労働時間の制限を撤廃し、成果に応じた報酬を実施しようとしている。社員の保護について、同法案は8時間労働以外の残業時間に上限を設け、年間で720時間、一月で100時間を超えてはならないとする。企業は有給休暇制度を施行し、勤務日と勤務日の間に社員が十分な休息を取れるよう保証し、休みなく働く状況を避けなければならない。残業への補助金を増やし、単月の残業時間が60時間を超えた人には残業代を50%増額する。医療面での保護を強化し、企業は従業員の健康管理に必要な情報を提供しなければならない。だが専門分野での労働制限を撤廃しても、新たに設立された裁量労働制度の規定では、年収1075万円以上の高度専門職の人については、2019年4月以降、企業が「特定の労働契約」を締結できるようになり、労働時間や残業時間に関するすべての制限が撤廃され、さらには残業代や休日手当を支給する必要もなくなった。関連する主な業界は、設計開発企業、市場調査会社、海外証券の取引担当者など多岐にわたる。この法案について、日本経済団体連合会(経団連)をはじめとする日本の経済団体は、「(この法案は)企業の労働生産性を高めるための新たな伝家の宝刀となる可能性がある」と分析する。日本政府はこの法案を労働力市場改革の重要措置の1つとみなす。安倍晋三首相は今国会の最重要法案と位置づけ、裁量労働制の範囲を今後は絶えず広げるとしている。だが野党、労働組合、労働力保護機関は、同法案は社員保護の義務を放棄しており、今後は残業がより多く行われるようになり、「過労死」が増加する可能性もあると警鐘を鳴らす。


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