日本政府がこのほど発表した今年第1四半期の実質国内総生産(GDP)は前期比0.2%減少し、年率換算では0.6%減少だった。2015年第4四半期以来のマイナス成長だ。だが市場では現在の経済のペースダウンは一時的なもので、日本経済の回復傾向は続いているとの見方が一般的だ。(文:張玉来・南開大学日本研究院副院長)
第1四半期の日本経済の減速は内需の不振や輸出の伸びの鈍化によるものだ。最近は経済成長に対する牽引効果が目立っていた電子設備などは輸出増加率が明らかに鈍化し、日本経済の外需頼みという弱点が一向に改善されていないことがわかる。世界のスマートフォンの出荷量は第1四半期に2けた減少し、部品を含む日本の電子設備輸出も同じように2けた減少し、日本の輸出増加率も大幅に低下した。日本にとって最も重要な問題は内需の不振だ。内需の3大パワーとされる個人消費、企業の設備投資、住宅投資が軒並み減少し、対GDP比が60%を超える個人消費が2四半期ぶりにマイナス成長に転じた。これは大雪や強い寒気などの天候要因が消費全体を抑制したことと密接な関係がある。
このたびの経済の減速に対し、市場はそれほど悲観的な見方をしていない。原因は2つあり、1つはマイナスを計算に入れても17年度の実質経済成長率は1.5%を保ち、現在の潜在経済成長率の1%を上回ること。もう1つのより重要な原因は、日本経済を安定回復させる一連の積極的な要因が徐々に姿を現してきたことだ。
積極的な要因として次の4点が挙げられる。
(1)企業の収益状況が引き続き好転していること。日本の上場企業の純利益は前年比35%も増加し、2年連続で記録を更新した。このうち過去最高利益を達成した企業が4分の1を超え、製造業32業種のうち25業種で利益が増加し、製造業全体の利益増加幅が50%を超えた。
(2)好調な雇用情勢が続き、労働者の賃金が増加したこと。現在の日本は失業率が2.5%の低水準を維持している。企業は黒字で労働力が不足していることから、労働者の賃金が引き上げられ、第1四半期には3.2%増加して、20年ぶりの高い上昇幅となった。
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