世界的にも有名なコンサルティング会社のベイン・アンド・カンパニーが16日に発表した報告によると、デジタル化技術が急速に普及し、消費者が新たな外出スタイルを模索し始めるというダブル要因を受け、中国では、シェア自転車やオンライン配車予約などの新たな外出スタイルが、外出コンセプトの再定義を進めているのと同時に、中国を世界最大の外出市場にしている。伝統的な自動車メーカーは、従来のビジネスモデルを転換することで、新たな市場チャンスを掴むよう迫られているようだ。ロイター通信が伝えた。
ベインがこのほど中国の一、二、三線都市に住む約2千人の消費者を対象に実施した調査結果によると、現在最も人気が高い外出スタイルは、「シェア自転車」。回答者の73%は、「シェア自転車を利用したことがある」と答えた。これに続き、「従来の外出方式に代わってハイヤーなどオンライン配車予約を利用したことがある」人が62%を占めた。さらに重要なことに、新しい外出スタイルや、深刻な交通渋滞と自家用車所有による経済的コストを踏まえ、自家用車を購入することを控える中国の消費者が増加の一途をたどっている。
報告書の共著者でベインのグローバルパートナーを務める曾偉民氏は、「このような新たな外出スタイルは、市場に登場してたちまち中国人消費者から高い人気を博し、速やかに普及し、あっという間に外出スタイルの主流となった」と指摘する。
同氏は、「技術的な統合と政府による政策面での支持が続き、さらにB2Cといったシェア自動車を始めとする新たな外出スタイルの登場などにともない、中国における外出市場は今後も急成長を続けるだろう」との見方を示した。
「過去3年間で、中国国内のシェア自転車は5倍、オンライン配車予約は4倍、それぞれ成長した」とベインは推計している。中国におけるオンライン配車市場取引総額は2016年に約230億ドルに達し、他の国々の合計総額を上回った。
このような爆発的成長の背後にある原因の一つに、モバイル決済の普及が挙げられる。また、中国一、二線都市の一般・高速道路の渋滞も、消費者が新たな外出スタイルにシフトするもう一つの主因となっている。
報告によると、新たな外出スタイルの発展により、完成車メーカーは、利潤モデルについて再考し、サービスプロバイダや価値チェーンに関わる業者との提携を模索する時がきているという。
例えば、完成車メーカーは、ハイテク企業との協力を通じ、大量の消費者データを獲得することができる。詳細な消費者像を描くことで、自動車メーカーは、消費者の外出状況や行為について全面的な理解が可能だ。これを踏まえ、彼らは連盟を立ち上げ、消費者の地理情報に基づく精確なマーケティングやその他の革新的サービス・商品を提供し、外出生態圏における自身の役割を拡大し、最終的には高収入・高収益に結びつけることができる。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年5月18日
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