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中国、休日は増えてもゆっくり休めない現実

人民網日本語版 2018年06月05日14:57

中国の現行の休假制度はすでに長期間の発展の過程を経ており、改革開放(1978年)初期は日曜日だけが休みだったのが、その後、隔週で土日が休みになり、95年以降は完全週休二日制になった。そして、99年には「ゴールデンウイーク」が登場し、2008年には、中国の3つの伝統的な祝祭日が休日となり、15年には、金曜日の午後から日曜日までが休みというスタイルも登場した。休日の日数は、中国の経済、社会が発展し、生産力、生産効率、住民の所得水準が向上するにつれ、増加している。人民日報海外版が報じた。

統計によると、中国全土の法定の祝祭日、週末の休日は改革開放初期の約60日から、今では115日に増え、1年の31%以上が休みという計算になる。つまり、中国人は1年のうち3分の1は休んでいることになる。

中国社会科学院財経戦略研究院の魏翔・准教授は取材に対して、「中国の休假制度の調整は、動向も方向性も正しく、中国のマクロ経済の構造調整、国際情勢ともマッチしている。『ゴールデンウイーク』ができたばかりの時は、ちょうど中国経済が右肩上がりの時期だった。今の中国経済は構造の高度化を経験しており、休假制度も調整が必要」との見方を示す。

多くの人が同じ時期に休み同じ所へ行く中国

改革開放以降、中国では休日の日数が増えているだけでなく、1日の仕事の時間や余暇の時間の長さも変化している。「余暇緑書:16-17中国余暇発展報告」に掲載されている、2016年と1996年、及び他の年の北京市民の時間の使い方を調べた調査データによると、16年、北京市民の1日当たりの仕事の平均時間は、20年前と比べて27分短くなり、余暇の時間が増えている。

しかし、魏准教授が筆頭となった中国ホリデーエコノミー試算課題グループの2年に及ぶ研究によると、全体的には人々の休息の時間は増えているものの、余暇に対する観念や余暇の質を見ると、進歩しておらず、休んだ後、仕事の効率は上がっていないことを示しているという。

余暇の質は、労働による収入や労働の効率、社会保障制度、医療の改善などと密接な関連があるほか、休日の構造自体も大きな問題の一つだ。中国人民大学・ホリデーエコノミー研究センターの王琪延センター長は、「多くの人が、同じ時期に、同じ場所へ行って休日を過ごすというのが中国の休假制度の大きな特徴の一つとなっている。例えば、『ゴールデンウイーク』になると、人気観光地や公共サービス施設は大混雑となり、ゆっくりと観光などを楽しむことはできない。その解決策は『分散化』だ。人々の休みの日と行く場所を分散させるのだ。しかし、有給休暇制度の実施を基礎とすることができていないのであれば、『ゴールデンウイーク』がなくなると、一部の労働者の正当な休暇取得権が脅かされることなるだろう」と指摘する。

余暇産業が十分に発展していないのも原因の一つだ。魏准教授は、日本を例にして、「高度経済成長を経験し、人々の所得と自由な時間が増えたものの、精神的ストレスも増大した。そして、アニメ産業が台頭し、人々がストレスを解消し、イノベーションの活力を刺激する面で一役買った」と語る。

文化産業のほか、旅行やスポーツ、娯楽、養生なども人々の余暇の質を向上させる余暇産業だ。王センター長は、「中国の余暇産業は依然として発展段階にあり、大きなポテンシャルを秘めている」との見方を示す。(編集KN)

「人民網日本語版」2018年6月5日

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