南宋の商船「南海一号」が11年前に広東省沖で引き上げられた。中国磁器数万点以外に胡椒31粒、南アジアや東南アジアの果物や穀物1千点余りの残存物が発見された。南宋から1000年近くの時を経て、上海に各国の商品が再び集結する。中国の築いた陸海貿易の新たな道を経由して、中国国際輸入博覧会という新たな巨船の助けを得て、再び繁栄する貿易を繰り広げ、共同発展という新たな理念を分かち合い、市場の拡大と消費の高度化が世界市場にもたらす新たなチャンスを体験し、グローバル化の視点で「義を重んじ利を兼ねる」新たな思考を先導する。新華網が伝えた。
■消費の新たな潮流とマッチ
中国とアジア太平洋地域の商品流通の歴史は千年前まで遡ることができる。今や新たな貿易環境により商品流通は一層便利でスムーズになり、市場の新たな潜在力と趨勢が多くの商品の原産地に探索と革新の原動力を与えている。
正史は清の康熙帝・雍正帝・乾隆帝時代の中国とタイの米貿易の詳細を明確に記している。康熙帝はタイ米への免税政策を了承した。乾隆帝は中国とタイの米の民間貿易に扉を開いた。
今日もなお米は中国タイ貿易の重要商品の1つだ。タイ商務省によると、2017年にタイは米1148万トン(前年比15.84%増)を輸出した。このうち中国市場の伸び率は軽視できない。今回の中国国際輸入博覧会で、タイの業者は中国市場における良質な農産物への需要拡大というチャンスを捉え、引き続き高級品路線を歩む。
インドネシアのある貿易会社は1分1秒を争って出展計画を立てている。設立間もない同社は過去5年間、中国人消費者の好みから従来とは異なる新たな貿易アプローチを探り、中国人消費者の潮流とインドネシアの特産品をシームレスにマッチさせようとし続けてきた。
同社の主力事業はインドネシアの乾燥海産物や特産物の対中輸出だ。近年中国のいくつかの都市で数珠が流行。同社はこのシグナルを捉え、数珠ビジネスを手がけ始めた。同社のパートナーは「中国が開放拡大の取り組みを強めていることで、インドネシアの会社はかつてないチャンスを得ている。私はより広大な中国市場への自信に満ちている」と語った。
実は中国市場の些細な趨勢が、外国で相当規模の産業革命を引き起こすことすらある。数珠市場では過去数年、インドネシア・カリマンタンの沈香、ベトナム、ミャンマー、ラオスのローズウッドなどが中国市場でたちまち人気を博した。これは各原産国の産業チェーンの発展につながり、顕著で計り知れない市場「バタフライ効果」を生んだ。
■双方向の商品移動
過去数年、中国市場と長年取引してきた普通の業者が中国の開放拡大という世界への約束を見聞きして影響を受け、中国市場の拡大が世界にもたらす新たな利益を身をもって知り、「一帯一路」と輸入博覧会という2つのプラットフォームが築き始めた「双方向の道」の中で知恵を磨いてきた。
こうした双方向の道の貿易によって、輸出入の均衡が実現し、各国の市場はさらに理性的で好ましい発展を遂げてきた。中国とパキスタンを例に取ると、中国の「一帯一路」イニシアティブはパキスタンの市場を拡大し、競争力を高めた。輸入博覧会はパキスタンの対中輸出増加の早道を開いた。
ある業者は中国パキスタン経済回廊(CPEC)という発展の道は、自身のビジネスの機会を増やし、利便性を高め、双方の協力に新たな活力を与えたと指摘する。また、輸入博覧会はパキスタンの貿易業者に対中輸出増加の機会を与える。
パキスタンの輸出品は種類が豊富だ。マンゴー、オレンジ、米、革製品、油用種子、ナッツ類、淡水魚などは独自の品種がある。イスラマバード国際事業委員会のトップは「中国国際輸入博覧会はパキスタン商品に新たなチャンスをもたらす。中国の努力は、パキスタンをより開かれた市場や世界貿易と結びつけつつあり、パキスタンの経済・金融状況の改善を一段と後押ししている」と語る。
中国とアジア太平洋地域の商品流通も伝統的モデルから最前線・新興モデルへと向かっていることは注目に値する。「スマート下請」「スマート輸入」など、新たな協力モデルとイノベーション方法が中国国際輸入博覧会で提示される。
第1回中国国際輸入博覧会の出展企業であるベトナムのFPTソフトウェアは昨年上海支社を設立した。上海支社長は「ベトナムは中国と比べて人件費の面で明らかな強みを持つ。当社のソフトウェア事業はベトナム人エンジニアが中心だ」と指摘。
「中国は情報技術やEC取引の分野で世界をリードしており、巨大な国内市場を持ち、生産販売拠点も世界中に分布している」「中国市場に進出したその年に、当社は最初の長期的クライアントを獲得した。中国市場の無限のチャンスによって当社の将来は明るい」と語る。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年10月22日
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