このほど「最年少は15歳、80後(1980年代生まれ)も90後(1990年代生まれ)も今や植毛の主力」と題した動画がネットで拡散し、大勢の若者が自分の頭髪の状況について不安を募らせる事態になった。中央テレビ網が伝えた。
▽「脱毛若年化」の確かなデータなし
北京大学第一病院皮膚科の楊淑霞主任医師は、「中国ではこれまで脱毛に関する全国的な調査が行われたことはない。過去のデータがなく、比較ができないので、『脱毛若年化』説は成り立たない」と指摘。
楊主任医師は続けて、「ただ言えることは、人々の生活水準がますます向上し、外見にますます気を遣うようになり、脱毛に注意する人がますます増えてはいる。そんなわけで大勢の人が診察を受けに来るようになり、中には子どももいる」と述べた。
楊主任医師は植毛を受ける人について、「若者が植毛の主力で、この流れは今後も変わらないだろう。若い人は結婚や就職といった出来事に直面しているため、見た目に対する要求が高いからだ」と説明した上で、「今の流れの中にみられる変化をあえて挙げるなら、見た目への要求が高い中高年が増えている点だ。植毛を受ける人も『高齢化』し始めている」と述べた。
▽「精神的ストレス」が脱毛の第1の危険因子
1992年生まれの張燦さん(仮名)は4年前に吉林大学から北京大学の大学院5ヶ年コースに推薦で進学した。北京大のカリキュラムは難易度もその忙しさも予想をはるかに超えており、生活のリズムが大きく乱れるようになった。最初の1年半は、ほぼ毎日深夜の2時3時まで勉強してから部屋に帰って寝て、朝は7時に起きて授業に出るという生活が続いた。たまに早く部屋に戻れる日があっても、横になるとなかなか寝付くことができなかった。ほどなくして張さんは髪の生え際が後退していることに気づいた。2年生が終わった頃、頭頂部は細くて柔らかい毛がまばらに生えているだけだった。
張さんの頭は「休止期脱毛」の状態だった。楊主任医師によると、「休止期脱毛はあまり知られていないタイプの脱毛だが、発症率は実はかなり高い。よくあることで、発症の原因として最もよくみられるのはストレス、緊張、睡眠不足などだ」という。
楊主任医師、「休止期脱毛は一般的に誘発要因が生じてから3ヶ月ほど後に発症する。ということで、患者は3ヶ月経ってから髪の毛がたくさん抜けていることに気づく。誘発要因を改善すれば、改善を始めてから4〜6ヶ月ほどで、徐々にまた髪は生えるようになる」と説明した。
また楊主任医師は、「病院に来る患者は髪の毛を気にしすぎる。気にしすぎると内面の不安やストレスがさらに高まることになる。現在メディアが『脱毛若年化』ということをしきりに言っているが、これが若者の頭髪に対する不安をあおっている。若い人は自分の脱毛の状況に理性的に向き合うべきで、心配のあまり自分で自分に余計なプレッシャーをかけるようなことはしてはいけない」と注意を促した。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年11月24日
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