日常生活のストレスは、当人の生活レベルに影響を及ぼすだけではなく、子供の健全な成長にとっても脅威となり得る。英ネイチャー誌のパートナー・ジャーナル「Translational Psychiatry」にこのほど発表された研究報告によると、日常生活で負ったダメージによって、一部の人々は心身の健康を損ない、このストレスは子供に受け継がれ、さらには人類全体の繁栄・進歩に影響を及ぼし得るという。生命時報が伝えた。
研究チームは、「子供時代の良くない思い出」と題するアンケートで、男性28人が18歳までに生活上で受けたダメージについて調査を実施した。アンケートの内容には、身体的暴力・言葉による虐待・性的虐待・心身のネグレクトを受けたか否か、および家族の状況などが含まれている。その結果、男性が若いころに受けたダメージが深刻であればあるほど、心身の疾病に罹患するリスクが高く、精子の変化はさらに大きいことが判明した。
米ツフス大学医学部発育分子・化学生物学のラリー・ファーガ教授は、「この研究から、子供時代の弱い性格は、両親の若い頃の生活状態から導き出される可能性が高いことが明らかになった」と指摘。研究論文の筆頭著者を務めた米The Sackler School of Graduate Biomedical Sciencesのデビッド・ディクソン博士は、「我々は、心理的ストレス環境下での精子の変化が、生まれてくる子供が心身の疾病に罹患するリスクを大幅に引き上げると認識している。我々は現在、精子の変化が子供に及ぼす具体的な影響をさらに解明するため、さらに大規模な研究に取り組んでいる。そこから精子を修復する方法を発見できる可能性が見いだせるかもしれない」とコメントした。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年6月20日
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