年に一度の広州モーターショーがこのほど開幕した。全国自動車市場で販売量が減少するという「暗い影」の中、今回のショーはさまざまな場面でトーンダウンが目立つ。たとえばメーカーが展示する重量級車種が激減し、自動車製造の新顔はほとんどが欠席し、来場者も例年のように押し寄せることはない。自動車産業はどのようにモデル転換とバージョンアップを果たせばよいのか。合弁メーカーも独自ブランドメーカーも大きな挑戦に直面している。「北京日報」が伝えた。
▽自動車市場が低迷
今年7月以降、自動車市場は低迷が続いている。今年1〜10月の自動車生産量は2282万6千台で前年同期比0.4%減少し、販売量は2287万1千台で同0.1%減少した。10月の生産量は233万4千台で同10.1%減少、販売量は238万台で同11.7%減少あった。中国自動車協会の姚傑副事務局長は、「今年全体でプラス成長を達成できる可能性は非常に小さい。予測が本当になったなら、中国乗用車市場の年間販売量が1990年以降で初めて減少することになる。こうした状況も年末の広州モーターショーに影を落としていることは間違いない」と話す。
▽合弁と独自ブランドが「パイ」を食い合う
今回のモーターショーでは、「市場が飽和状態」、「スリム化の競争」、「増加した生産量がストックに」といった見方に対する議論が多く聞こえてくる。実際、各メーカーが発表した製品をみると、より大きな市場の開拓を追求するというより、ライバルの「パイ」を黙々と奪おうとする傾向が強い。
中国自動車市場で今最も人気があるのはスポーツ用多目的車(SUV)で、販売量の伸びは鈍化しているが、それでも各メーカーは「市場の救世主」として希望を託す。これまでは独自ブランドが強かったが、今は合弁メーカーも力を発揮している。上汽通用雪仏蘭(上海汽車、ゼネラルモーターズ<GM>、シボレーの合弁会社)は中国初のミドル・ハイクラス主力車種の新製品「マリブXL」を発表しただけでなく、世界新発売のコンセプトSUV「FNR-CarryAll」もお披露目し、SUV市場の全車種をカバーする布陣を敷いた。北京ヒュンダイの大型SUV「サンタフェ」4代目モデルがお目見えし、フォルクスワーゲン(VW)は来年、中国市場向けに3種類のSUV新車種を打ち出すとしている。
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