米国の電気自動車(EV)メーカー・テスラは17日、上海市計画・国土資源管理局との間で「土地譲渡契約」に調印し、上海工場の建設用地として9億7300万元(1元は約16.2円)の取引価格で上海臨港産業区装備産業区の工業用地86万4885平方メートルを取得したことを明らかにした。「北京商報」が伝えた。
今年7月、テスラは上海市臨港地区開発建設管理委員会、上海臨港経済発展(集団)有限公司とEVプロジェクト投資合意に調印し、臨港地区に単独資本で研究開発、製造、販売の諸機能を一体化した新工場「ギガファクトリー3」を建設することになった。テスラの計画では、新工場の生産能力は当面は年間約25万台を目指し、電池ユニットも生産し、徐々に能力を引き上げて最終的に50万台達成を目指す。テスラの関係責任者は、「テスラ上海工場は建設スタートから生産開始まで2年ほどかかり、それから目標達成までさらに2〜3年かかる見込み」と話す。
注目されるのは、テスラが新工場の用地取得に成功しただけでなく、最近は工場建設に必要な資金と人材の両面でも活発な動きをしていることだ。資金については、今年8月の2018年第2四半期財務報告会議で、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が「テスラ上海工場の建設コストは20億ドル(1ドルは約112.6円)になる」と述べている。
9月7日の工商登録情報によると、テスラの中国法人・テスラ(上海)有限公司の登録資本金が1億元から46億7千万元に増えたという。これは上海工場の建設資金の30%がすでに準備できたことを意味する。
実は、上海工場の建設プロセスがたゆみなく進むその背景には、テスラの積年の課題である生産能力不足がある。今年3月、テスラの株価は暴落し、時価総額200億ドルが蒸発した。4月には生産能力の問題が原因で、テスラの株主がマスクCEOを訴え、「マスクCEOらはモデル3の生産能力目標で投資家を欺いた」と批判した。また生産能力問題などを受けて、ムーディーズやスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)などの格付け会社がテスラの格付けを相次いで引き下げた。
だが、今年第3四半期に入ると状況は好転した。生産量と販売量がいずれも8万台を突破し、引き渡し量は前年同期の3倍以上に増えた。とはいえモデル3の生産能力はまだそれほど増加しておらず、今は米国国内のニーズを満たしているだけだ。
業界関係者は、「テスラは明らかに上海工場の建設を加速させており、この工場の将来の生産能力がより多くの海外ユーザー、とりわけ中国ユーザーのニーズを満たすようになることは間違いない。中国はすでにテスラにとって最重要の海外市場だ」との見方を示す。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年10月18日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn